この本だいすきの会

February 20, 2013

子どもが喜ぶ本の条件

この本だいすきの会・小岩支部の例会に出掛けました。
ここは、私の古巣。別の支部で活動している今も、時間があれば出掛けて行きます。本日のテーマは「実践報告」。幼稚園で、小学校で、そして家庭で読んだ本を紹介し合います。以下、私の心に触れた本をピックアップしておきます。


ピッツァぼうや
ピッツァぼうや 
10人程度の参加者のなか、4人もの人が話題にしていました。何たる偶然!こういうことが度々おこるのがEK支部例会の面白さ。きっと、この本には何かがあります

 
ふたごのしろくま くるくるぱっちんのまき (講談社の創作絵本)
ふたごのしろくま くるくるぱっちんのまき 
あべ弘士さんの「ふたごのしろくま」シリーズ。どこかで読んでみたい本


ゆきおんな (むかしむかし絵本 22)
ゆきおんな 
幼稚園児のお子さんに読んでいる方、小学3年のクラスで読んだ方の紹介。私は、ちょっと怖くて読めなかったけれど、手に取ってみようかと。


海のいのち (えほんはともだち―立松和平・伊勢英子心と感動の絵本 (25))
海のいのち 
担任の先生のリクエストにより、小学6年生の全クラスで読んだ学校がありました。中高生への読みがたりにも使えそう。


絵本 化鳥
絵本 化鳥 
これは、絵も装丁もすごいぞぉ!手に取ってじっくり読みたい本。ただし大人向けなので、自分のお楽しみに。



 本日の例会には、初参加者もいらっしゃいました。
小学1年生のクラスへ読みがたりなさっているものの、読むべき本・読むといい本がわからず悩んでいる、とご相談がありました。その相談をうけて、小松崎進先生にアドバイスをお願いしました。


小松崎先生のアドバイス
 
 注意すべきは、新しい本をさけること!読み継がれて来た本を選ぶといいでしょう。たとえば、『三びきのやぎのがらがらどん』は喜びますね。今日紹介された中では、『はなのすきなうし 』『
おおきなかぶ』など。

三びきのやぎのがらがらどん―ノルウェーの昔話 (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本) はなのすきなうし (岩波の子どもの本 (11)) おおきなかぶ―ロシア民話(こどものとも絵本)がらがらどん




 どんな本がいいかは、人と話し合ううちに集約されてくるのですが、子どもが喜ぶ本とは、以下の条件が整っているものです。

【 子どもが喜ぶ本・3つの条件 】

  繰り返しで話がすすむこと

 「あぁ、よかった」という結末

  擬音語・擬態語が適切に使われていること


その条件を満たすものと考えたとき、もっと日本の昔話を読んで欲しいと思います。


そして最後に一冊、本を読んでくださいました。

ももうりとのさま (語り伝えたい日本のむかしばなし)
ももうりとのさま 

あぁ、これって絵姿女房なのですね〜♫





 

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March 22, 2012

花咲か爺

2012年3月22日(木)10:30〜12:30

今日の勉強会のテーマは「花咲か爺」。
子どもたちに昔話を届けるための準備として学ぶ会。どんな絵本・語りで届けたら良いかを、互いに読み、読んでもらって、学びあう会です。


 花咲か爺 

はなさか・たんぽぽの会



読み語り

ずいぶんと沢山出版されているものですね。これでも、ほんのほんの一部です。
実際に読んでみた本を記録しておくことにします。(順不同・内容の検討はしていません。)

はなさかじい (日本むかし話)はなさかじい (日本むかし話)
著者:松谷 みよ子
販売元:フレーベル館
(2002-11)






はなさかじい (松谷みよ子むかしむかし)はなさかじい (松谷みよ子むかしむかし)
著者:松谷 みよ子
販売元:童心社
(2008-02)



はなさかじい (てのひらむかしばなし)はなさかじい (てのひらむかしばなし)
著者:長谷川 摂子
販売元:岩波書店
(2008-11-06)




花さかじい花さかじい
著者:椿原 菜々子
販売元:童話館出版
(2011-04)






はなさかじいさん―日本昔話より (日本むかしばなしライブラリー)はなさかじいさん
著者:武鹿 悦子
販売元:フレーベル館
(1998-03)






花咲かじい (語りつぎたい日本の昔話)花咲かじい (語りつぎたい日本の昔話)
著者:篠 崎三朗
販売元:小峰書店
(2011-02)






はなさかじいさん (たのしいしかけえほん)はなさかじいさん (たのしいしかけえほん)
著者:舟崎 克彦
販売元:金の星社
(1998-03)






(画像なし)はなさかじい
 大川 悦生/文 石倉 欣二/絵 (メイト月刊絵本)


類話「雁とり爺」より一冊紹介
そばがらじさまとまめじさま―日本の昔話 (こどものとも絵本)そばがらじさまとまめじさま
著者:小林 輝子
販売元:福音館書店
(2008-10-15)




 小松崎先生のコメント
  •  「花咲か爺」は、室町時代から江戸時代にかけて作られた話と言われています。「雁とり爺」の方が誕生は古い。

  •  話は、犬が飼われるようになった経緯が面白い。(川上から流れてくるもの、川に仕掛けた「どっこ」などにかかるもの、願掛けしていて出会うもの、他)また、犬が「○○食べれば○○だけ」大きくなるという表現も面白い。

  •  犬には、白い米を食べさせることが多いから、白い米を食べられる環境の家で育てられたということだろう。(山口県に伝わる「三年寝太郎」も同様の環境)

  •  「花咲か爺」は、隣の爺型の代表的なものとして出版数も多いのだろうが、個人的には読みたい類いの話ではありません。

覚え書き

 私が今回の学びで出会って、読み語りたいと思った一冊はこれ。
 花さかじい
 花さかじい

 文を書かれた椿原菜々子さん、初めてお名前を知りました。一度目に読んでみた時は、少々くどい気もしたのですが、さにあらず。絵本だからと絵にたよりすぎず、原話を生かした文章に好感が持てます。

 解説(あとがき)に書かれている内容が、「花咲か爺」を理解する助けになるので、メモしておきたいと思います。(勝手ながら抜粋して記載します。)


椿原菜々子/文 解説:愛しの『花さか じい』より 抜粋

 『花さか じい』の昔話は各地に分布していて、地方によっては『犬(子)むかし』と伝えられています。
 この話は「隣のじいさま型」になります。正直で心やさしいじいさまが、その徳によって恵みを得ます。それを見た、浴深くていじわるな隣のじいさまが、自分も恵みを得ようと、同じことを真似して、失敗し、罰をうけるというものです。

◆川上から流れてくる香箱◆
 お話の出だしから神秘的です。川上から赤い香箱が流れてきて、白い子犬が入っています。
 川は、山の深くに源流を持ちます。私たちの祖先にとって、山の深くは、人間の力の及ばない「何者か」が棲む異界でした。そうやって、異界を畏怖し、神聖なものとして、信仰の対象にしたのです。そうすることで人間の里の生活に安定がもたらされ、災厄がさけられることを願ってきたのです。

◆犬と神性◆
 白い子犬とはなんでしょう。(文献によれば)「人間生活と深く関わってきた犬。幸福な生活を約束する神の使いと信じられてきた…」「特に白い犬は霊犬とされ…」とある。この犬は異界からの使者として、おのずと神性を帯びているのでしょう。『花さか じい』が、地方によって『犬(子)むかし』と伝えられているのは、その地方の人々が、犬の神性に関心の中心を寄せていたからだと思われます。
 子犬は、その霊的な力によって、下のじいさまに宝物を授けます。
 墓に松の苗を植えると、大きな松の木に育ちます。松は「不変、長寿の象徴」・・・これは、犬の松への転生。じいさまとばあさまが毎日墓参りをしていると、白い鳥が「マツノキキッテ ウスツクレ」と鳴きます。鳥は山に棲んで、どこへでも、山の奥深くの異界とも、自由に行き来ができる生き物です。この鳥も異界からの使者なのでしょう。その声に導かれて臼をつくり、餅をつきます。すると小判が・・・犬の二度目の転生による恵みです。

◆灰◆
 子犬は、灰へと三度目の転生をします。
 形あるものが燃えて灰になる・・・灰は死や消滅のイメージにつながると思われます。
 一方で、灰は作物の肥料になります。また、作物のアクをぬく、麻糸を白くさらす、などの働きもします。灰は生命の変容を助けたり、新しい生命の出現を助けたりするものでもあるようです。神性を帯びる子犬が転生した灰であれば、犬の霊力の恵みを受ける下のじいさまは、枯れ木に花を咲かせることもできるでしょう。



 今日も沢山の本を読んでもらいました。事前にも古い書籍をひもといて読んだりしましたが、まだまだ勉強不足で頭の中が取散らかっております 面白さと難しさを同時に感じています。
 「花咲か爺」は、冒頭の川上から流れくる場面は「桃太郎」とも重なって見えてきます。いずれも冒頭場面は好きですが、結末への流れが納得できずにいるところ。もっと調べてみないといけません。でも、どの本を手にとれば答えといえるのか、それもまた疑問だったりして あぁ〜、わからない。といいながら、のめりこんでおりまする〜







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March 10, 2012

見るなの座敷(支部例会記録)

2012年3月10日(土)10:00~12:00
この本だいすきの会・II支部3月例会 (通算21回)

3月中旬。卒園・卒業式のシーズンに入り別れのさみしさと、新しいスタートへの希望とがないまぜになる季節です。本日欠席の方からは、「今年度最後の学校清掃に行ってきます。」「新入学の学童説明会があります。」などの声が聞こえてきましたよ〜

さて、今日のテーマは昔話より「見るなの座敷」です。
鶯も時節柄ぴったりと思い、選びました。 


うぐいす  
見るなの座敷

資料研究

見るなの座敷(みるなのざしき)は、そのタイトルだけをみても「見るなの座敷」「見るなのくら」、あるいは「うぐいす姫」「うぐいすの一文銭」「うぐいす内裏」他があります。昔話の分類上は『隣の爺型』とされていますが、隣の爺の登場しない「うぐいす浄土」型の話も多く、また、異類婚姻譚という解釈もあります。

参考のため、『決定版 日本の民話事典』より引用した文を紹介します。
決定版 日本の民話事典―読んで面白い ひいてわかり易い (講談社プラスアルファ文庫)



見るなの座敷
 むかし、村の祭りに、たいそうきれいな娘がお宮参りに来ていました。祭りが終わると、娘はすたすたと山奥に入って行きます。娘に見とれた若者があとをつけると、娘はりっぱな屋敷に入りました。そこに泊まった若者はていねいなもてなしを受けます。
 つぎの日、娘は、「十二ある座敷のうち、十一までは見てもいいが、十二番目のはけっして見てはいけない」と言いおいて出かけます。若者が順々に戸をあけて見てまわると、最初は正月、つぎは初午、そのつぎは雛の節句というように、月ごとに楽しい祝いの宴の景色があらわれます。最後に、禁じられた座敷がどうしても見たくなり、あけると梅の木があって一羽のうぐいすが飛んでいました。そこに娘がもどり、「あれほど言ったのにどうして見たのか」といってうぐいすになり、悲しそうにどこかへ飛んでいってしまいました。

 これは新潟で記録された話です。「見るなの座敷」は、青森県から鹿児島県まで、日本の各地で語られています。いずれも、山奥の大きな一軒家に娘が一人で住み、そこに泊まった男がもてなされ、禁をやぶって見てはならない部屋なり倉なりをあけたため、娘がうぐいすとなって飛び去る、というあら筋はほぼ共通しています。語りによっては、見てはならない部屋や倉の数が異なったり、あらわれる景色のようすが異なったりする場合があります。座敷の場合は、日本的俳諧の世界を思わせる、四季折々の美しい景色であることが多く、また、田植えや蚕上げなど、農作物に関する風景が語られます。倉の場合には、米、栗、豆、味噌、着物、宝物などの倉になっているようです。
 部屋にせよ、倉にせよ、ここで語られる美しく豊かな風景は、かつて人々が思い描いた理想郷をあらわすものであり、この話は別名「うぐいすの浄土」と呼ばれます。

 この話には、もう一つ別の語りかたもあります。
 男が、山の中の一軒家で美しい女にもてなされ、「見るな」と言われた座敷を見ないで約束をまもり、毎日、女の出かけたあとの留守番を一年間つとめます。男はお礼に「うぐいすの一文銭」というめずらしいお金をもらい、それが千両で売れて大金持ちになりました。それを聞いた隣の男がまねをして出かけますが、禁をやぶって、見るなと言われた奥の間をあけるとなにもありません。女が帰り「たいへんなことをしてくれた。長いあいだ山をまわって読んだ法華経をしまってあったのに、すっかりなくなった」と言って悲しみ、隣の男にはなにもあたえず、暇をだしました。
 これは「うぐいすのほけきょう」という題で新潟に伝わる話ですが、「花咲か爺」や「こぶとり爺」のような『隣の爺型』の語りになっています。また、「うぐいすの一文銭」のモチーフは、一見なんでもないものが高く売れる話として、中国の「胡人採宝譚」を連想させるものがあります。(新倉朗子)



読みがたり

持ち寄った資料の中から、時間の許す限り読みがたりすることにしました。以下に紹介するのは絵本画像が中心ですが、吉田さんは語りのために持っている資料(新潟県での採話)を、また、あっきーは『哲夫の春休み』の文中に登場する昔話も紹介してくださいました。

 日本昔話百選 うぐいすのいちもんせん うぐいすのよめさま みるなのくら (日本傑作絵本シリーズ) うぐいすひめ (ワンダー民話館) みるなのへや (いまむかしえほん)


そして、小松崎先生もご自身の書かれた本を読んでくださいましたよ!
小松崎先生の「見るなのくら」 
『見るなのくら』
小松崎進/文 黒谷太郎/絵(日本標準)



小松崎先生のコメント

昔話の研究者たちは、この話を『隣の爺型』に分類しています。
私は、山形県最上郡の話を元に再話しました。

やはり、隣の爺型で語るのが面白いと思います。



まいあの感想

例会の準備として学ぶうちに、すっかり魅了されてしまいました。何とも日本らしい情景と文化が見事に語られる作品だと感じたからです。世界中の昔話の中でも、情景の美しさ・色彩や香りまでが感じられるような話は日本独特のものとか。四季の変化に富んだ日本ならではのお話なんですね。『日本昔話百選』『日本昔話大成〈第4巻〉』(同一採話)を、いつか語りたいと練習中です。

絵本は、他の昔話にくらべて、入手できる絵本の数がとても少なかったですね。残念なことに、十二座敷のお話を語りながらも、絵では場面が省略されたものや同一ページ内に複数の場面が盛り込まれるなど、面白さをそこなうものもありました。
個人的に私のオススメは断然『みるなのくら』です。赤羽末吉氏の絵にうっとりです。小学校での読み語りにも何度も使いましたが、その度に子どもたちが引きつけられるのを感じた一冊です。

昔話そのものを楽しむなら、水沢謙一編『とんと昔があったけど』(未来社)などをひもとくと、さらに面白いと思います。グリム3番「マリアの子」も類話なので、読み比べてみてはいかがでしょう。

余談ですが、私の記憶にある「見るなの座敷」の設定は「引き出し」でした。見るなと言われた箪笥の引き出しをあけると、そこには田が広がり、小さな人もいて田植えをしているのです。別な引き出しには実りの秋の情景も。青々とした新田の情景が私の記憶には映像としてあるのですが、そんな絵本には出会えずにいます。もしかしたら、テレビの映像だったのでしょうかねぇ。お話を聞いた(見た?)あと、しばらくは箪笥の引き出しをあける度に、ドキドキしたものでしたけれど。



今後の予定

例会の予定 
4月15日(日)
4月例会は、大西紀子先生をお迎えしての講演会開催です。お友達や地域の方に呼びかけ、皆で「ぬくだまる」時間を過ごしましょう。配布したチラシをご活用ください。

講演会と集会の予定
5月13日(日)第4回小松崎進講演会『子どもはお話だいすき』
7月27・28・29(金・土・日)第30回子どもの本と文化の夏の集い(千葉県市川市にて)





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January 14, 2012

三枚のお札(支部例会記録)

2012年1月14日(土)10:00~12:00
この本だいすきの会・II支部1月例会 (通算19回)

(松は明けておりますが・・・)
あけましておめでとうございます。
今年も楽しい例会を続けてまいりましょう。
さて、本日のテーマは昔話『三枚のお札』です。前回の昔話研究(11月例会)でとりあげた、山姥の登場する話の中の一話を取り上げ、読み深めました。

三枚のお札

資料研究
昔話研究の会では、毎回沢山の資料を持ち寄ります。
まずは、配布したレジメに沿って、各自持ち寄った資料をメモを取りながら読みます。

三枚のお札


①小僧…山へ何をしに行きましたか?
  • 栗ひろい、花切り・桜をとりに・お供えの冬木とりなど、季節も様々。
  • また、和尚さんのいうことをきかないため追い出されるというものも。

小僧…山姥の家にいくまでの様子は?
  • 栗拾いや花切りに夢中になり、思わず山深くに入ってしまう。
  • 小僧が、自分でみつけた明かりをたよりに、見つけた家を訪れるもの。逆に婆さんのほうから声をかけられてついていくパターンもある。婆さんの声かけは、「大きな栗があるからこい」「親戚を名乗り招く」「爺の命日だからお経をあげて欲しい」など。

③山姥…小僧の出会った山姥はどんな姿でしたか?
  • 髪をきっちり結って、お歯黒つけた姿。白髪のおばば。
  • しかし、小僧が夜中に目を覚ましてみると鬼婆になっている。その姿は、頭に角を二本もはやし、口は耳の根まで裂けて、真っ赤な舌をべらくらと出している、など。夜中に糸をつむいだり、包丁をといだりしている。
  • はじめに出会った時から、鬼婆の姿の話もある。

④お札…誰からもらいましたか?何に変えましたか?
  • 和尚さまから。または便所の神様(女神さま)から。
  • 便所で身代わりに使うものと使わないものとがある。①砂山②大川③炎などに変える。茨や剣山など針状のものに変えるものも見られる。

⑤山姥からの逃走…小僧はが逃走するきっかけは?(雨だれ)
  • 夜中に目を覚ますと雨だれが鳴っていた。
 「タンツク タンツク こんぞうよ 起きで 婆んばの面見れ」
 「テンテン てらのこぞう かおみろ かおみろ」
  • 包丁研ぎの音で気づく。
  • 婆に頭をペランペランと舐めたり、おしりをザランザランとなでたりされる。
  • いずれも、便所(雪隠)に行きたいといって逃げ出す。

⑥山姥からの逃走…山姥のかけ声、様子などは?
  • 便所に行きたいという小僧に「布団の中でしろ」「ここでしろ」というが、やがて小僧の腰に縄を結んで便所に行かせる。小僧は縄を便所(混ぜ棒・柱・扉など)に結びつけ、身代わりに「まあだ まあだ」と返事をさせるが、やがて山姥は気づいて追いかけてくる。
  • 小僧がお札を3つのものに変えて逃げようとするが、山姥は全てを乗り越えて寺までたどり着く。(三回の繰り返し)

⑦結末…寺にたどりついた小僧と和尚さまのかけ合い
  • 小僧はトントン戸を叩いて開けとくれと頼むが、和尚さまはおちついている。「早く早く」とせかされても、「今起きて」「今ふんどし絞めて」「今帯しめて」「今草履はいて」と、ゆっくりしている。
  • 小僧は和尚さまに隠してもらうが、その場所は、かご・戸棚・押し入れ・きょう箱・井戸など。

⑧結末…山姥の最後
  • 和尚さまとの化け(術)くらべをする。「そらっ」と囲炉裏ぶちを叩いて「タカズクタカズク…」すると大きくなり、「ヒクズクヒクズク…」で豆粒みたいになったとき、和尚さまが食ってしまう。豆粒は納豆粒のものも。また、山姥の好物の焼き餅にはさんで食べる話もある。
  • さらに、その後和尚さまが便をすると、蝿になって全国に飛んでいったという話も。正体が奥山の古狢だったというものもあった。
  • 小僧が井戸にいると思った山姥が井戸に飛び込むと、蓋をしてしまったり、石を投げ込むという結末もある。

その他
  • 語られた地域による違いもあるのだろう。どこで語られた話しなのかに注目したい。
  • 今回は東北地方のものが多かった。新潟・岩手・秋田など。 (⇒『日本昔話大成』(角川書店)を読むと、全国各地に類話があることがわかります。)



読みがたり

持ち寄った資料の中から、時間の許す限り読みがたりすることにしました。
子どもに語る日本の昔話〈2〉 日本昔話百選 かちかち山 (語りつぎたい日本の昔話) たべられたやまんば (日本むかし話) さんまいのおふだ (こどものとも傑作集) さんまいのおふだ (松谷みよ子むかしむかし) 日本昔ばなし 三まいのおふだ 三まいのおふだ (子どもとよむ日本の昔ばなし) 三まいのおふだ (てのひらむかしばなし)  あおい玉 あかい玉 しろい玉

まず一話。小松崎先生に読んでいただきました。
 かちかち山 (語りつぎたい日本の昔話)
かちかち山 (語りつぎたい日本の昔話)より『三枚のお札』
小澤俊夫・小澤昔ばなし大学再話研究会/再話
小峰書店発行



絵がすごい一冊。怖すぎるくらいです。
子どもによむのはためらわれる程。
日本昔ばなし 三まいのおふだ
日本昔ばなし 三まいのおふだ
おざわとしお/再話
かないだえつこ/絵
くもん出版発行


Sさんが小学5年生に読みがたりした絵本。
わかりやい言葉の楽しい本です。
さんまいのおふだ (松谷みよ子むかしむかし)
さんまいのおふだ 
松谷みよ子/再話
遠藤てるよ/絵
童心社発行



まいあが、読みがたりして評判のよかった一冊。(紹介のみ)
さんまいのおふだ (こどものとも傑作集)
さんまいのおふだ
水沢謙一/再話
梶山俊夫/画
福音館書店(こどものとも傑作集)発行



小松崎先生のコメント

この話は、「三枚」というのがいい。
三回繰り返されるというのがいい。
三回は、日本の昔話ならではの繰り返しです
(日本の昔話を語る時、三回の繰り返しのないものはやめましょう。)

面白いのは、①山姥・鬼・妖怪などの出てくる話と、②知らないところへいく異郷話だと思います。


今後の予定
例会の予定 
2月4日(土)実践報告
3月10日(土)昔話『みるなのくら』
⇒『みるなのくら』『みるなの座敷』『うぐいすの浄土』は、異郷話の一つです。皆さんで読み合い、春の実践につなげていきたいと思います。

講演会と集会の予定
5月13日(日)第4回小松崎進講演会『子どもはお話だいすき』
7月27・28・29(金・土・日)第30回子どもの本と文化の夏の集い(千葉県市川市にて)




  




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November 12, 2011

II支部例会記録 2011年11月 昔話・山姥の話

2011年11月12日(土)10:00~12:00
この本だいすきの会・II支部11月例会 (通算17回)
 
これまでの例会では、昔話を基本から学ぶために、いわゆる五大昔話と呼ばれる、江戸時代の赤本屋さんが選んだ話をとりあげて学んできました。かつては教科書にもとりあげられていたので知らぬ子はいませんでしたが、今の子どもたちにはどうなのでしょうか?
今後の昔話研究では、より実践に役立つ話を取り上げていきたいと思います。まずは、山姥の登場する話に注目してみましょう。今回は、山姥の登場する話を持ち寄りました。

山姥(やまんば)の登場する昔話

山姥の話を聞こう
道代さんの語りで、山姥の話を楽しみました

語りのプログラム
  『三まいのおふだ』(「日本昔話百選」より)
  詩4編(「のはらうた」より)
  『やまんばのにしき』(絵本「やまんばのにしき」より)


山姥の話いろいろ
●三枚のお札
●やまんばのにしき(ちょうふくやまのやまんば)
●牛方と山姥(馬方と山姥)
●米福と粟福(糠福米福)(紅皿欠皿)
●天道さん金の鎖(天のかみさま金んつなください)
●食わず女房
●なら梨とり(やまなしとり)
●さとりの化の物
●三人兄弟

日本昔話百選 さんまいのおふだ (こどものとも傑作集) たべられたやまんば (日本むかし話) あおい玉 あかい玉 しろい玉 さんまいのおふだ (松谷みよ子むかしばなし) やまんばのにしき (むかしむかし絵本 2) うまかたやまんば (日本傑作絵本シリーズ)  くわずにょうぼう (こどものとも傑作集) やまなしもぎ (日本傑作絵本シリーズ) 


山姥とは?
そもそも山姥(やまうば)って何でしょう?

妖怪図鑑』(童心社)によれば、「山にすむ妖怪で、山母とかやまんばともよばれている。耳までさけた大きな口と、ギラギラひかる目をしたおばあさんで、白い髪を長くたらしている。人をとって食うという。」「山姥は親切にすると、人々にゆたかな富をもたらすが、そうでないと、わざわいをもたらすと信じられている。」
山姥


小松崎先生のコメント

●ちょうふく山の山姥
やまんばのにしき (むかしむかし絵本 2)
かつて大川悦生から声がかかり、現場(小学校)で原稿を読み、子どもの反応を本づくりに反映していたが、『やまんばのにしき』は子どもにスーッと入っていく話だった。『秋田むがしこ』の「ちょうふく山の山姥」からの再話。
文中に、「空はカリッと晴れ カアカアした月空」という実にいい表現がでてくるが、原話通りだそうです。

●三枚のお札
厠のどこにお札を貼るか?どどべら(混ぜ棒のこと)に貼るんです。
山姥が餅好きな様子もでてきます。

●牛方山姥
「牛方」と「馬方」は同じ話。
西と東いずれで語られたかで違います。
今の運送屋さんのことですね。海の幸を運ぶ人のことです。

●(一話、読み語りしていただきました

松谷 みよ子/再話
太田 大八/絵
ほるぷ出版発行


●山姥の出てくる話を学ぶのに役立つ本紹介。
魔女と魔法 (民話の手帖)
日本昔話大成〈第6巻〉本格昔話

●昔話について、これだけは覚えておきましょう!
民話と昔話は混同されることが多いですが、間違いです。

「神話」
「昔話」
「伝説」
「世間話」
これら全てをひっくるめて「民間説話」(=民話)と言います。
つまり民話のひとつが昔話。

さらに昔話は大きく3つに分けることができます。
①動物昔話、②本格昔話、③笑い話です。

山姥の話は、②に分類されます。


今後の予定
例会の予定
2011年12月10日(土)実践報告
2012年1月14日(土)昔話「三枚のお札」

その他
こども会からお話会の依頼がありました。
平日の昼間、012歳児の集まりでお話をして欲しいとのこと。
初回は、12月20日です
有志でお引き受けすることになりました








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October 22, 2011

浜田桂子さん @ひがし東京

2011年10月22日(土)

ひがし東京・この本だいすきの会主催
『第10回 ひがし東京・子どもの本と文化の集い』 

 
 ひがし東京・この本だいすきの会主催の集いは、オープニングに小学生の発表、参加者全員で童謡を歌うことが恒例になっています。今回は、『中野七頭舞(なかのななずまい)』を舞ってくれました。私、初めて見ました…子どもたちの統率のとれた舞に、ちょっと感激童謡は、秋らしい『とんぼのめがね』『もみじ』を歌いました

 次いで、ひがし東京代表の中村美智子先生のご挨拶。第10回を迎えるに、これまでにお招きした作家さんの名を挙げられ、『皆さんに励まされたり元気をもらったりしてきた』と話されました。 ちなみに、順に挙げてみますと、①後藤竜二さん②さとうわきこさん③宮川ひろさん④田島征三さん⑤きたやまようこさん⑥小林豊さん⑦山口節子さん⑧長谷川知子さん⑨とよたかずひこさん…私もできるかぎり参加してきました。振り返ってみると、皆さんのお話が心の糧や支えになっていることを感じます。

 この本だいすきの会代表の小松崎進先生は、『私たちが一番心配していることは何でしょう?』と話しはじめられ、言葉がけの大切さについて教えて下さいました。(人が話すのが言葉なら、考えるのも言葉です。家庭で、学校で言葉を交わさない結果、中高生にもなると言葉を失ってしまう。)言葉がけの一つの方法が、「本を読む(読みがたる)」ということ…この運動のために、この本だいすきの会が生まれ、来年で30年になります。
 小松崎先生は、数多く出版される絵本には「一過性」のものが多すぎる、とおっしゃいます。一過性のものも必要だが、「永遠性」とでも呼ぶような長年読み継がれる本を読んで欲しい、と話されました。


記念講演 絵本作家 浜田 桂子さん

 1947年埼玉県川口市生まれ。桑沢デザイン研究所卒業。田中一光デザイン室勤務の後、子どもの本の仕事を始める。日本児童出版美術家連盟会員。

  
『絵本の子ども 地球の子ども』をテーマに、ご自身の作品になぞらえて話してくださいました。

あやちゃんのうまれたひ (こどものとも傑作集)
あやちゃんのうまれたひ (こどものとも傑作集)
 1984年に出版され、今年で27歳になるこの絵本が、浜田桂子さんの一冊目の絵本。
 浜田さんは子ども時代に二親を病気で亡くされたことから、命のはかなさが身に染み、命への不信感さえ持っていたとか。ところが、ご自身の出産を機に一転!『命はつながっている』ことが実感としてあったそうです。人間一人が生まれてくるのは奇跡!だから差別されたり貶められることがあってはならないと。一つの命の重さを伝えたかった本だと語られました。
 浜田さんは、幼少の頃から絵本を描く人になりたいと憧れていました。ところが子育てをしながら描くのは大変なこと…。しかし、描いた作品につき、とある男性作家の酷評をうけたことで、「私はお母さんなのだから、母ならではの視点でいこう」と気づき、育児に没頭しようと思ったそうです。それが、いずれ子どもたちに発信するときの妨げになるはずはないからと。いざ出版にこぎつけても、作家仲間の批判にあったそうですが、聞き手の子どもたちに支持されて、これまで読み継がれてきたのです。

 
てとてとてとて
てとてとてとて
 この本も、命の重さを伝えたかった本の一つ。
 『手』って不思議・・・道具であり、摩ったり握るだけで伝わり、スポーツやイベントの前には皆で重ね、拍手すれば楽器のように様々な音も出す・・・『手』は人の命そのものなのじゃないか?という思いで作られた本。
 ラストページの「もしかしたら手は心が出たり入ったりするところかもしれない』は一番苦心もしたし、浜田さんが言いたかったことでもあります。


さっちゃんとなっちゃん (教育画劇みんなのえほん)
さっちゃんとなっちゃん 
 大人が介在しない子どもだけの世界を書きたくなり作った本。
 見るからに違うキャラの二人だけれど仲良し。仲良しってなんだろう?自分の知らない世界を持っている人といると、違う世界へ行けるもの。だから、ありのままでいいんだよ、という思いで書いた本。二人は違うことだらけだけど、ラストの「片付けキライ」なことは同じ…このラストは初めから決まっていたそうですよ。


ぼくのかわいくないいもうと (絵本のおもちゃばこ)
ぼくのかわいくないいもうと
 文は一つのことしか表わせないが、画家は絵にいろんな情報を盛り込んでいるもの。この本では、初めて文字を視覚化。妹のまほちゃんの言葉は、すべて書き文字にすることで、語り口までもが伝わるようです。


へいわって どんなこと? (日・中・韓 平和絵本)
へいわって どんなこと? (日・中・韓 平和絵本)
 日本の作家4人のよびかけでスタートした「日・中・韓平和絵本」の企画ですが、まだ戦争のわだかまが残る三国が、共に出版するのが困難なことはわかっていたこと。たとえ絵本の形をなさなくてもその過程に意味があるのではないかと、まずは一歩を踏み出そうということで始められたそうです。
 本にするのは、議論を交わすということだったし、全員にとってはじめてのことであり、スリリングなことだった。ただ、「子どもにいいものを届けるんだ」ということだけを目指していらしたそうです。

 そして絵本になったこの本を、浜田桂子さんご自身が読み語りしてくださいました。

 声を発することは、生きている命そのもの。
 生の声で、子どもに本を読んであげるのは素敵なこと。
 沢山の言葉をかけ
 沢山の本を読んでほしいと思います。

 と、講演を締めくくられました。

 浜田桂子さんは、終始とても穏やかな語り口で、言葉を選んで丁寧に話して下さいました キューバのハバナ、中国の上海、北朝鮮ピョンヤンなど、海外で、現地の子どもたちに本を読んだこと、その時の様子なども聞くことが出来ました。今は韓国での絵本出版が活況だそうで、浜田さんの絵本も翻訳出版されています。まだまだ活動の場を広げていかれそうな予感がしました



 




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October 19, 2011

浜田桂子さんの講演会があります♪

ひがし東京・この本だいすきの会主催

絵本作家浜田桂子さんの講演会があります

会員・一般を問わず、どなたでも参加できる会です


あやちゃんのうまれたひ (こどものとも傑作集) あそぼうあそぼうおとうさん (かがくのとも傑作集―わいわいあそび) てとてとてとて さっちゃんとなっちゃん (教育画劇みんなのえほん) ぼくのかわいくないいもうと (絵本のおもちゃばこ) あめふりあっくん (クローバーえほんシリーズ) へいわって どんなこと? (日・中・韓 平和絵本)
  『へいわってどんなこと?』について、興味のある方はコチラも御覧ください


【日 時】 2011年10月22日(土)
午後1時30分~4時

【会 場】 みどりコミュニティセンター
東京都墨田区緑3丁目7番3号
☎03-5600-5811

【チケット】当日券あります。〈1200円〉
参加ご希望の方は、直接会場へお越しください



会場までのmap
map
「みどりコミュニティセンター」のサイトより転用


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へいわってどんなこと?


へいわって どんなこと? (日・中・韓 平和絵本)

へいわって どんなこと?
浜田桂子/作・絵 (童心社)

 へいわってどんなこと? きっとね、へいわってこんなこと 。
・・・「おなかがすいたら、だれでもごはんが食べられる」「いやなことはいやだって、ひとりでも意見がいえる」「おもいっきり遊べる」
 語りかけるような言葉で、子どもの目線でもわかるように問いかけていきます。へいわってどんなこと?かの答えは、当たり前のことばかり。私は、人権を守ることと似ているな、と思いながら読みました。(戦争はなくても、生きている権利を奪われたら平和とはいえないですよね。)小さな人たちとも、一緒に考えていきたい、平和を守っていきたいと思いました。

 当作品は、『日・中・韓平和絵本』として2011年4月に発売された第一弾3冊のうちの1冊です。日本の作家さん(浜田桂子さん、田島征三さん、和歌山静子さん、田畑精一さん)が、中国と韓国の作家さんに呼びかけて実現した企画ということです。平和について考える絵本と一口に言っても、歴史的な背景をみて足並みを揃えるために相応の時間と努力(あるいは忍耐も)必要だったのではないでしょうか。今後も三カ国語で12冊のラインナップとなるそうですから、是非手にとってみたいと思います。

●『日・中・韓平和絵本』についてはコチラ
  童心社サイト
日・中・韓 平和絵本

●浜田桂子さんへのインタビュー記事を見つけました
  EhonNaviのインタビュー



 本を読んでの感想と学童さんへの読み語りの様子を、小松崎進先生(この本だいすきの会代表)にお便りしました(2011年8月末)。その原稿のコピーです。私自身の記録のとして残します。

 『へいわってどんなこと?』を初めて手にしたとき、真っ黒な戦闘機や爆弾の絵に驚きました。いつも暖かな絵を描かれる浜田桂子さんが描かれたことが、意外だったからです。しかし、全体を見ると、この「黒」と希望の色「黄色」の対比こそが、視覚的に平和や希望を伝えてくれるのだという印象を持ちました。
 タイトルもいいな、と思いました。「どんなこと?」と問いかけてくれるので、小さな人たちとも一緒に考えていけると思ったのです。戦争や平和については、自分の言葉として伝えることが難しいと感じている私でも、この本を通じてなら、一緒に考えることができると思ったのでした。
 さて、佐渡での夏の集い二日目、浜田桂子さんの講演を聞くことができました。白いジャケット姿の浜田さんは、凛として美しく、そして優しい笑顔は、著作『あやちゃんのうまれたひ』のお母さんそのものでした。(我が家では、浜田さんのことを「あやちゃんのおかあさん」と呼ばせていただいていたのです。イメージ通りでした。)
 講演では、小さな人たちへエールを送り続けたい、いのちの眩しさを伝えたいという思いを、ご自身の絵本作りを通して語られました。また著作を読み語ってくださったので、さらに思いが伝わってくるようでした。
 『へいわってどんなこと?』を、浜田さんの読み語りで拝見しながら、私自身も平和について考えていました。また、漠然と、「あぁ、これは人権を守ることに通じているのかな」と感じていました。絵本『ひとはみな、自由―世界人権宣言』とも重ね合わせて聞いていました。一九四八年、国連総会において採択された「世界人権宣言」を子どもたちに伝え、考えるために描かれた絵本です。浜田さんの伝えたい平和とは、基本的な暮らしそのものが成立する社会のことなのかもしれないと感じていました。
 もう一冊、思い浮かべた絵本がありました。浜田さんご自身も参加された絵本『世界中の子どもたちが103』です。百三名もの絵本作家さんの平和への願いが込められている本でした。一方、前述の『ひとはみな、自由』には、世界の絵本作家や画家三十名が携わり、世界三十カ国で同時刊行された本です。多くの著名な作家さんたちの思いが込められた本二冊を、偶然にも思い出したのです。
 多くの作家さんが手をつないでできた本という意味では、『へいわってどんなこと?』も同じなのですね。日中韓の三カ国の平和プロジェクトとして、十二名の作家さんたちが

年月をかけて、交流を重ねる中で生まれた本と知りました。

 
 さて、佐渡集会から帰宅直後、学童でのお話会に読んでみることにしました。(浜田さんご自身の声を胸に、そして、いただいたサインにもパワーを貰いながら読もうと決めました。)

 読んだ日は8月8日。広島・長崎の慰霊祭などの報道を目にすることも多く、戦争について伝えるのにもいいタイミングだと思いました。また、聞いてくれる学童のクラス(小学一~三年生、三十名)では、毎週三十分間のお話会を続けているので、ボランティアの私たちとの信頼関係が、ある程度できているクラスです。この人たちには、じっくりと考えるタイプの本を持って行ってもいいのではないかと思いました。
 導入では、いくつか問いかけてみました。

『皆さんは新聞を読みますか?』

―読むよ。(十名程)

―おとうさんと一緒に大人の新聞を読むんだよ。

『では、テレビでニュースを見てる人?』

―はい!(ほぼ100%手があがります。)

『広島や長崎の原爆慰霊祭のことをニュースで報道しているけれど、観たかしら?』

―?

『戦争のこと、皆は知っていますか?』  ―知らない。

―あのね、鉄砲打ったりするよ。殺しちゃうんだよ。

―???

『戦争のことは難しいかな?まだ知らないかもしれないね。でも、嬉しいことか悲しい事かはわかるんじゃないかな。どう?』

―悲しいこと!

―あのね、いけないことだよ。

『そうだよね。戦争のことはよく知らないけれど、悲しくて辛いことだというのはわかるよね。では、平和っていう言葉はわかりますか?』

  ―???

『では、この本をみながら一緒に考えてみましょうね。』と言って、読み始めました。
 ゆっくりゆっくり、読みました。どの子も真っ直ぐな眼差しを向けて、しっかりと聞いてくれました。

 
 読んでいる間の子どもの反応は、以下のようでした。(数カ所抜粋)

きっとね、へいわって こんなこと。

せんそうを しない。

ばくだんなんか おとさない。 

―ウワァ

―でっけ~

おなかが すいたら だれでも ごはんが たべられる。 

  ―あたりまえだよ~!

ともだちと いっしょに べんきょうだって できる。 

―うん、あたりまえ~

おもいっきり あそべる。

  ―あたりまえだよ!

あさまで ぐっすり ねむれる。

―あったりまえだよ!

パレードのしゅっぱーつ! 

―わ~い!(嬉しそうに笑っている。)

 
 「あたりまえだよ」と言っていたのは、一年生の男の子たちでしたが、その反応に、読み手の私が教えられました。当たり前のことを当たり前にできることが平和の根底にあるということ。正にその通りではないかと。
 だから、読み終えてすぐに、『あたりまえだよ、という声が聞こえたけれど、本当にその通りだね。私たちは平和な国に生まれたから、あたりまえに過ごせているのだと思うよ。』と、つい口に出してしまいました。
 とても真っ直ぐに受け止めてくれる子どもたちです。本を通じて、いい対話ができたと思いました。いい本との出会いに感謝しています。
 これからも日・中・韓平和絵本は三カ国共同出版で刊行され、全十二冊になるそうですから、是非手にとって、また子どもたちと共に考えていきたいと思っています。

 

※文中で紹介した本

『へいわってどんなこと?』浜田桂子作(童心社)

『世界中の子どもたちが103』平和をつくろう!絵本作家たちのアクション著(講談社)

『ひとはみな、自由―世界人権宣言』ジョン・バーニンガム他著・中川ひろたか訳(主婦の友社)




日・中・韓平和絵本 第1期(全3巻)
日・中・韓平和絵本 第1期(全3巻)


世界中のこどもたちが103
世界中のこどもたちが103


ひとはみな、自由 世界人権宣言
ひとはみな、自由 世界人権宣言






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October 15, 2011

大西紀子先生@子どもの本の原っぱ

2011年10月15日(土)14:30~16:00

「子どもの本が好きな人、この指と~まれ!」
少人数で、作家や画家のお話をじっくりお聞きしようと
「子どもの本の原っぱ」を始めたのは2001年の12月でした。
「原っぱ」は、その後ますますにぎやかに、
なごやかに、しかも豊かに育ってきました。
好評の第8期に続き、第9期を企画いたしました。
みなさんお声をかけ合って、「原っぱ」に遊びに来てください。
 (「子どもの本の原っぱ」案内チラシより


第9期
は、①1月22日(土)江川多喜雄先生、②2月26日(土)小松崎進先生、次いで③3月19日(土)大西紀子先生を予定しておりましたが、311の大震災のため延期。7ヶ月を経て、やっと本日再開となりました。

大西紀子(おおにし のりこ)先生のご紹介です
1940年、秋田県生まれ。千葉県市川市の市立幼稚園で長年にわたり、園ぐるみ、家庭ぐるみ、地域ぐるみの親子絵本読書活動の普及に努める。現在は昭和学院短期大学人間生活学科人間発達専攻で、保育者を養成している。この間、全国学校図書館協議会の絵本委員会委員として、絵本選定にたずさわっている。この本だいすきの会・事務局員および絵本研究部の世話人。共著書に『この絵本読んだら』(高文研)
(下記の著作の紹介文より)

「絵本のへや」の子どもたち―絵本だいすきの園児とともに


さあ、待ちに待った大西紀子先生のお話です 

title 『 子どもと 楽しむ 絵本浴 』

「どうしてそんなに絵本が好きなんですか?」
「どうしてそんなに絵本にこだわるのですか?」

こんな質問を、若い学生さんからもされるのだそうです。そして、やはりこだわっているのだとおっしゃっていました。絵本と共に、子どもと共にありたいのだと。

 
絵本浴のこと、はじめにことば浴ありき。

 『絵本浴』とは・・・
大西先生が作った言葉です。赤ちゃんが沐浴するように、また日光浴や外気浴をするように、絵本浴をしているようだと感じたところから生まれた言葉

 0.1歳児でも絵本を読んでもらっていると、よだれをたらさなかりに恍惚としている。その姿をご覧になって、全身でのみこむ様子を「絵本浴」と表現なさったそうですが、いい言葉ですね~

 先生ご自身の原体験・原風景は、7つの時に亡くされたお母様の野辺送り・桔梗の咲き乱れた景色なのだそうです。その景色と重なる絵本が『きつねの窓』で、以後(座右の銘ならぬ)座右の本になっているそうです。また、お母様を亡くした後に、毎日お父様が手枕で語ってくれたお話が『八郎』と『龍になったむすめ』。最初に言葉ありきで、後に絵本に出会われたそうです。暖かなお布団に包まれて、お父様の手枕で聴くお話・・・こんな原体験をお持ちなのですね。しべぶとん(藁の布団)が、体を動かすたびにカサカサ鳴っていた、その音も一緒に思い出の一部として話してくださいました。


 
書き手と読み手と聞き手が絵本浴でわかちあうもの。

「絵本を読み手の思いを入れて、聞き手の子どもに読み語るとき、その声を浴びて、子どもたちは絵を読み、絵本の世界で絵本浴し、絵と言葉に浸るよろこびと絵本の楽しさを味わう。」

「絵本の読み合いを通した、書き手と読み手と聞き手の三者の絵本浴は、そのよろこびを共有した者として、互いの信頼関係を構築していく。」


 三者の関係の交点に絵本浴があることを、図解で説明してくださいました。



 
子どもたちと絵本浴、そのふれあいエピソード

 大西先生が、保育者として子どもと関わる中でのエピソードを交えながら紹介してくれた本です。(本のみ紹介します。)

ももの子たろう (むかしむかし絵本 14) まっくろネリノ (ガルラーの絵本)  ころ ころ ころ (福音館の幼児絵本) ちいさなきいろいかさ (きんのほしストーリー絵本) いちご (幼児絵本シリーズ) かえるのあまがさ (与田準一・おはなしえほん) こすずめのぼうけん (こどものとも傑作集) アナンシと6ぴきのむすこ―アフリカ民話より (ほるぷ海外秀作絵本) すっきり うんち (からだのえほん (2))  ぽとんぽとんは なんのおと (こどものとも傑作集)


 どのエピソードからも、一人ひとりの子どもに向き合い、寄り添った保育をなさる先生のお姿が目に浮かぶようでした。心が熱くなるお話ばかりです お話の中から、絵本選びのヒントなども沢山いただきました。


 
この時期、絵本浴にお薦めの最新ほやほや絵本

 絵本の選定委員もなさっている大西先生は、毎月40~50冊、年間1500冊にものぼる絵本を読んでいらっしゃるとか。沢山の本から選ぶのは、まるで砂金拾いのようだとも。これだけの数をご覧になっていると、「読んで~」とを発してくる絵本があるそうですよぉ(確かに、そんな経験ありますね。あれは「気」なのね!)

 紹介されたこの本も、きっとを発しているはず

どーんちーんかーん (講談社の創作絵本)
どーんちーんかーん
武田 美穂/作 (講談社)

のっぺらぼう (杉山亮のおばけ話絵本)
のっぺらぼう 
杉山 亮/作 軽部 武宏/絵 (ポプラ社)

no title
へっこきよめさ
小松崎 進/文 梅田 俊作/絵 (メイト)



 
絵本浴のための絵本選び、わたし流

「まず絵を読んでから、絵本を起こして、声を出して語り、お話を味わう。」

「よい絵本は、絵が語りかけ、言葉が息づき、心身ともに絵本浴するよろこびが生まれる。それが、聞き手の子どもの心身の育ちに、寄り添えるよう願いながら、共に絵本体験のよろこびを味わえるように選ぶ。」


 特に、未就学児には、ぬくだまる(秋田弁)=暖まり、心底ほっとする絵本を読んでいきましょう、と締めくくられました。

 この「ぬくだまる」という言葉が、とても印象深く残りました。大西先生に読み語っていただけたら、私もぬくだまれるなぁ・・・と思いながら聞いていたら、最後に一冊読んでくださいました!しかも私もだいすきな本です!さらにスペシャルなことには、秋田弁で!!(お話は山形の昔話です。)


さるとびっき
武田 正/再話  梶山 俊夫/画 (福音館書店こどものとも)


 大西先生は、この本だいすきの会事務局員でありながら、皆さんの前で講演することを遠慮なさるような、大変につつしみ深い方です。ですから、会で講演するのは今回が初めて これを機に、第2回、第3回と続くといいなぁ、と願っています
 


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October 01, 2011

II支部例会記録 2011年10月「実践報告」

2011年10月1日(土)10:00~12:00
この本だいすきの会・II支部10月例会 (通算16回)

本日はお子さんの保育園の運動会などの行事と重なり、参加できないメンバーが多かったため、こじんまりとした会となりました。参加者5名…それでも小松崎先生は足を運んでくださり、また、新メンバー加入の嬉しい例会となりました


 事務連絡
【講演会など】
10月15日(土)子どもの本の原っぱ企画
 大西紀子さん『子どもと楽しむ絵本浴』

10月22日(土)ひがし東京・この本だいすきの会主催
 浜田桂子さん講演会

10月23日(日)流山市子どもの読書推進の会主催
 工藤直子さん講演会

【学童お話会日程】
10月3・17・24・31日(月)14:00~

【支部例会の予定】
11月12日(土)昔話研究として『やまんば』をとりあげます。
12月10日(土)実践報告
2012年
1月14日(土)(以下、内容未定です)
2月11日(土)
3月10日(土)


 実践報告
学校・学童での実践報告。そして、ご家庭で読まれている本の紹介です。(順不同)
本の画像と共に、以下の点につき記載しますので、参考になさってください。
 ①誰に読みましたか?・・・Whom?
 ②なぜ、この本を選びましたか?・・・Why?
 ③小松崎先生のコメント・・・

 学校・地域で(集団に) 

はらぺこあおむし (ビッグブック)はらぺこあおむし (ビッグブック)
著者:エリック カール
販売元:偕成社
(1994-05)



Whom? 7ヶ月~2歳児の親子10組
Why? ラボ・パーティで活用しようと、大型本を購入。さらに、あおむし人形を手作りしました!⇒あっきーのブログに写真があります。ぜひ御覧ください。
絵本は頁を開いて読み進む方向へ、主人公が進んでいくことが鉄則。戻るようなことがあっては駄目。(人形を使う場合、穴をくぐらせる時も、必ず絵と同じ方向へ進むようにしなくてはいけない。)


だっこの木だっこの木
著者:宮川 ひろ
販売元:文溪堂
(2011-02)






Whom? 学童(小学1~3年生)
Why? ちょうど8月15日だったので、戦争の話に。
 「だっこの木」を見に、是非、浅草の雷門へ行ってください。


no title
へっこきよめさ
文:小松崎進 絵:梅田俊作 (メイト)
Whom? 小学校・ひまわり学級(特別支援)
Why? 楽しい本を読みたくて選書。


へいわって どんなこと? (日・中・韓 平和絵本)へいわって どんなこと? (日・中・韓 平和絵本)
著者:浜田 桂子
販売元:童心社
(2011-04-01)





Whom?
 学童(小学1~3年生)
Why? 8月なので戦争関係。この本なら、小さな人にも読めると思ったので。


ぐぎがさん、ふへほさん、おつきみですよ
ぐぎがさん、ふへほさん、おつきみですよ
作:岸田衿子 絵:にしむらあつこ (こどものとも年中向き 2010年9月号)
Whom? 学童(小学1年生)
Why? 9月、中秋の名月に合わせて。



 家庭で

モモちゃんとアカネちゃんの本(1)ちいさいモモちゃん (児童文学創作シリーズ―モモちゃんとアカネちゃんのほん)モモちゃんとアカネちゃんの本(1)ちいさいモモちゃん (児童文学創作シリーズ―モモちゃんとアカネちゃんのほん)
著者:松谷 みよ子
販売元:講談社
(1974-06-27)


Whom? 小学2・4年生
Why? 自身も子どもの頃に読んだ本。シリーズで。
 低学年には、必ず読んだ本。モモちゃんの成長物語を聴くうちに「自分はどんな子だったのかな?」と、気になってくるので、家の人に聞いてくる宿題をだしていました・・・


グリンピースのいえグリンピースのいえ
著者:及川 賢治
販売元:教育画劇
(2006-12)




Whom? 小学2年生
Why? 落ち着くようで、何度もせがまれる本。


キャベツくん (ぽっぽライブラリ―みるみる絵本)キャベツくん (ぽっぽライブラリ―みるみる絵本)
著者:長 新太
販売元:文研出版
(1980-09)






Whom? 小学2・5年生
Why? ブギャーでは、必ずひっくり返って大笑い。
 面白いですよね。お母さんと親子で楽しめるのは最高です。


ガンピーさんのふなあそびガンピーさんのふなあそび
著者:ジョン・バーニンガム
販売元:ほるぷ出版
(1976-09)


Who? 小学5年生
Why? 自分の好きな本を紹介する授業に選んでいった本。


 小松崎先生のお話 

「語り」について
 創作の本は著作権があるので変えてはいけません。昔話は、多くの人が「語り伝えた」ものだから自分風にしてもよいでしょう。ただし、要素は変えないこと!登場人物や繰り返しの原則はそのままに語りましょう。

お母さんの「つくり話」
 (Tsudiさんとあっきーが、お子さんたちに自作の「つくり話」をするのをうけて)
 お母さんのつくり話を楽しむ・・・いいですねぇ。最高です!できれば布団の中やお膝の上など、体に触れながら話してください。私も、母から沢山のつくり話を聞いて育ちました。
子どもの頃、雨戸を閉めるかかりでした。私の一番好きな果物は富有柿なんですけれどね、母が『暗くなると、一つ目小僧が出てきて、柿の木に登ってぺろーんとなめるぞ』って言うんです。怖くってねぇ。でも、雨戸を少~しだけ開けて覗いてみるんです。『かあちゃん、来ねかったぞ』と言うと、母は『じゃ、明日だな』と。

先生の信じる科学
 子どもの頭のてっぺんに触れながら、『◯◯しろよ』と言うと、私の腕からするするする~っと、思いが入っていく・・・という科学を私は信じています。 

親が子どもに出来ること
 (実例を交えて、話して下さいました。私なりに受け止めたポイントのみ。)
●子どもの不安をとりのぞくため、「抱っこ」「添い寝」「ひざの上」は大切です。(小6~中1でも)
●家族・親子の間の言葉の交わし合いが無いことが、子どもの生きる場を奪う。「朝ごはんは一緒に食べましたか?」「行ってらっしゃいの挨拶はありましたか?」何でもいいから、語りかけましょう!
●問題を起こす年齢は、(かつては17歳だったが)今は12歳。不安定な時に救いになるのが、小さな頃に聞いたお話や絵本です。

先生に読んでいただきました
おさる日記おさる日記
著者:和田 誠
販売元:偕成社
(1994-12)







 今日の例会は、人数は少なかったものの、絵本を囲んで楽しい時間を過ごしました
 我らが支部は、「実践報告」と「昔話」を交互にテーマとしていますので、来月は「昔話」。テーマは『やまんば』とします!『やまんば』が登場するお話を沢山持ち寄りましょう




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