これ読んで♪

April 17, 2013

新刊絵本

4月17日(水)読みがたり絵本の勉強会

本日の勉強会テーマは『新刊絵本』

長い間読み継がれて来た本には、安心して伝えられる魅力があります。参加メンバーと学ぶ中で、その魅力は再確認して来ました。そこで、選ぶ目が育っているメンバーだからこそ、新刊絵本からどのように選んでいるのかお聞きしたくて、このテーマを設定しました。ひと言で新刊というと莫大になりますので、この5年間に出版された絵本に限定して持ち寄ることにしました。


【本選びのヒント】
年間2000冊以上もの新刊絵本が発行されているそうです。ということは、単純に考えるとこの5年で一万冊にものぼるということ!その中から、参加メンバーは何をヒントに選んでいるのでしょうか?お尋ねしました。

「この本だいすきの会」で得た情報
 例会で仲間から教えてもらった本、
 小松崎進先生に読んでいただいた本、
 講演会で紹介された本、
 通信の情報(特に、大西紀子先生の記事)、
 から教えてもらう事が多いという意見が多数。

書店にマメに足を運ぶこと
 本屋にマメに通っていると、世の中のうねりのような本に出会える。
 (例えば、「あさになったのでまどをあけますよ 」)
 また、児童書専門店が頼りになる。
 (例えば、たんぽぽ館(閉店)、銀座教文館ナルニア国など)

新聞記事を参考にする(児童書紹介・広告)

図書館司書さんから得る新刊情報
 
ネットから情報を得る
 こひつじ文庫のブログ・・・信頼のおける情報源です!
 絵本ナビ・・・インタビューや試し読みを参考に。
 
情報誌・雑誌を参考に

新刊紹介










【紹介された絵本】
参加者7名の持ち寄った本は、見事に一冊も重なりませんでした。もちろん、あまりに定番になった本や、きっと誰かが持ってくると思い持参しなかった本もあります。唯一、参加者共通の観点は「子どもたちに届けたい本」ということです。
以下、順不同・無分類に紹介します。ほんの一例としてご覧ください。
画像があるものは、子どもたちへの読みがたり実践があるものです。)

じぶんの木 (えほんのぼうけん 8)
じぶんの木 

ばあちゃんのおなか

赤いポストとはいしゃさん (絵本のおもちゃばこ)
赤いポストとはいしゃさん

おとうさんのちず
おとうさんのちず 

これは本 

あさになったのでまどをあけますよ
あさになったのでまどをあけますよ 

ひまわりの おか (いのちのえほん)
ひまわりの おか

どーんちーんかーん (講談社の創作絵本)
どーんちーんかーん

いまむかしえほん (5) かちかち山 

いまむかしえほん (10) ききみみずきん
いまむかしえほん (10) ききみみずきん 

皇帝にもらった花のたね
皇帝にもらった花のたね [大型本]

1つぶのおこめ―さんすうのむかしばなし
1つぶのおこめ―さんすうのむかしばなし

王さまライオンのケーキ はんぶんの はんぶん ばいの ばいの おはなし
王さまライオンのケーキ はんぶんの はんぶん ばいの ばいの おはなし 

トラのじゅうたんになりたかったトラ (大型絵本)
トラのじゅうたんになりたかったトラ 

もっかい!
もっかい! 

きょうのごはん
きょうのごはん 

バナナのはなし (かがくのとも絵本)
バナナのはなし (かがくのとも絵本) 

もっといろいろ ばあ
もっといろいろ ばあ 

ひめねずみとガラスのストーブ 

チェロの木 

6わのからす 

はまべにはいしがいっぱい

ピンクのれいぞうこ

絵本はだしのゲン


【小松崎進先生のお話】
小松崎先生も同席してくださいました。さらに、私達参加者と同様に本選びについて語り、絵本を紹介してくださいました

先生ご自身は、奥様が店主をつとめられた「たんぽぽ館」(2012年3月惜しまれながら閉店)で新刊情報を仕入れることが多かったそうです。現在は、お仲間の編集者さんや作家さんが送ってくれる本で、新刊に出会っていらっしゃるとか。雑誌「こどものしあわせ」で、新刊紹介のコーナーも担当なさっています。

印象的だったお言葉は、

『実践が積み重なり、適切な本がわかる』

実践がなければ、客観的な評価しかできない、とおっしゃったことです。
私どもは、先生から紹介いただいた絵本は間違いなくいい本だと実感しているので、その先生さえも『実践』ありきとおっしゃるのが、心に突き刺さりました。

本日紹介して下さった本は3冊。
ひっつきむし (えほんをいっしょに。 3)
ひっつきむし 

あそびたいものよっといで (ひまわりえほんシリーズ)
あそびたいものよっといで 

ゴナンとかいぶつ
ゴナンとかいぶつ 





今日の例会も、とても楽しかったです
絵本を囲む時間って、本当にいいものです。

最後に、今お気に入りの本の、お気に入りの一文を紹介します

絵本は、どんな時代にあっても、希望のかたちだと思っています。
この新世紀の絵本たちも、読者の心にじっくり根を下ろし、
ゆっくりロングセラーになったらいいなと願っています。

広松由希子著『きょうの絵本 あしたの絵本』あとがきより











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March 27, 2013

石井桃子を読む

3月27日(水)読みがたり絵本の勉強会

本日の勉強会テーマは『石井桃子を読む』です

今は3月。石井桃子さんは3月生まれで、桜の散る頃に101歳で逝かれました。司会者の提案で、今月は石井桃子さんの本を持ち寄ることにしました。

参加者5名が持ち寄った本を羅列してみると・・・
ちいさいおうち せいめいのれきし―地球上にせいめいがうまれたときからいままでのおはなし (大型絵本) 百まいのドレス スザンナのお人形・ビロードうさぎ (岩波の子どもの本) ビロードうさぎ ピーターラビットのおはなし (ピーターラビットの絵本 1) ちいさなうさこちゃん (1才からのうさこちゃんの絵本セット1) (子どもがはじめてであう絵本) サリーのこけももつみ (大型絵本) ムギと王さま―本の小べや〈1〉 (岩波少年文庫) イギリスとアイルランドの昔話 (福音館文庫 昔話) ノンちゃん雲に乗る 山のトムさん (福音館創作童話シリーズ) くいしんぼうのはなこさん (日本傑作絵本シリーズ) かえるのいえさがし (こどものともコレクション (’64~’72)) ふしぎなたいこ―にほんむかしばなし (岩波の子どもの本) やまのこどもたち (岩波の子どもの本) 三月ひなのつき (福音館創作童話シリーズ) 幼ものがたり (福音館文庫 ノンフィクション) 幻の朱い実〈上〉

・・・本は案外重量のあるものですから、沢山は持ち寄れませんでした。石井桃子さんの著作のほんの一部にすぎませんね。とても網羅できませんでした。『皆さんは石井桃子さんの著作を、読みがたりに使いますか?』という司会者からの問いかけで、学級や図書館のお話会で読まれている本を考えてみました。


【  読みがたりしたい石井桃子著作  】

石井桃子さんのオリジナル作品
「4月。新学期がスタートしたころに、低学年に読んでいます。子牛のはなこさんは、くいしんぼうでわがまま。それでも優しく見守る仲間達との牧場での出来事を描いたお話は、面白くて、ほのぼのしています。」読み聞かせ時間12分程度。
くいしんぼうのはなこさん (日本傑作絵本シリーズ)
くいしんぼうのはなこさん 


バージニア・リー・バートン作品の翻訳
「どの家庭でも読まれていると思っていたら、知らない子が多くて驚かされます。出来れば中学年までに読みたいが、15分かかることがネックになり、読む場が限られています。家庭に一冊おいて、じっくり読みたい一冊。集団には、是非大型絵本で!」「この本は、正にアメリカ史そのものです。」
ちいさいおうち
ちいさいおうち [大型本]


翻訳の絵本より
サリーのこけももつみ (大型絵本)
サリーのこけももつみ 


これも石井桃子さん翻訳
「あまりにも有名で、良く読まれているし、語りにもなっているので、どなたの翻訳家忘れていました。これも石井桃子さんの翻訳なのですね。語りにする方も。」
こすずめのぼうけん (こどものとも傑作集)
こすずめのぼうけん 


日常をきりとったかのようなお話
「生き物たちの生活ぶりも、子ども達のすがたも、その辺にいそうなイメージ。」「鶏や牛の鳴き声などは、実際に飼ったからこその表現になっていて、実にいい。」
いぬとにわとり やまのこどもたち (岩波の子どもの本) かえるのいえさがし (こどものともコレクション (’64~’72))

 
むかし話も!語りのテキストとしても!
ふしぎなたいこ―にほんむかしばなし (岩波の子どもの本)  したきりすずめ (日本傑作絵本シリーズ) シナの五にんきょうだい



【  石井桃子さんを知る  】

石井桃子さんの墓碑には、石井さんご自身が読んでほしいと選ばれた本が刻まれているそうです。自作と翻訳各3冊、計6冊。

《自作・自伝より》
幻の朱い実〈上〉 幼ものがたり (福音館日曜日文庫) ノンちゃん雲に乗る (福音館創作童話シリーズ)

《翻訳作品より》(注:いずれもシリーズなので、画像はご参考まで)
クマのプーさん プー横丁にたった家 ピーターラビットのおはなし (ピーターラビットの絵本 1) ムギと王さま (ファージョン作品集 3)


雑誌の特集記事
青土社『ユリイカ 2007年7月号』詳しくはこちら


以上。例会の記録はここまでです。
もっと知りたくなって調べていたら、うちにもありました〜。白泉社『MOE 2009年3月号』・・・ここにも年表や作品がまとめられています。また、ネット上の
岩波書店「編集部だより」ー石井桃子さんの本ーも参考になりましたよ。


おまけ

石井桃子さん著作のうち、私にとっての一冊はこれ

ちいさなうさこちゃん (1才からのうさこちゃんの絵本セット1) (子どもがはじめてであう絵本)
ちいさなうさこちゃん 

今は『ミッフィー』と呼ばれる事の多いキャラクターですが、原文のオランダ語では『ナインチェ』なのだそうです。作者のブルーナーさんが、うさぎも(オランダ語konijn )に小さく愛らしいを意味する接尾語( -tje )をつけて Nijntje と名付けたのが、この子の名前の誕生なのです。この原語と意味を解釈した上で付けられた『うさこちゃん』、ピッタリの訳語ではないですか
名付けの経緯を知ってから、より『うさこちゃん』が好きになりました。
そもそも、そんなことは知らないときから、大好きで、私と娘との大切な思い出の一冊となっていたのですけれどね鞄にいれて、どこへでも出掛けたものでした。

家の書棚を見渡すと、随分と石井桃子さんの本がありました、それと知らずに手に取っていましたが、どれも言葉がいいものです。

最後に、生前の石井桃子さんが色紙に残されたという言葉を記しておくことにします。

(2007年2月8日 教文館ナルニア国のために書かれた色紙より。石井桃子さん百歳直前のものです。色紙は縦書きですが、横書きにて転載します。)

本は一生の友だち    
本は友だち。一生の友だち。    
子ども時代に友だちになる本、   
そして大人になって友だちになる本。
本の友だちは一生その人と共にある。
こうして生涯話しあえる本と    
出あえた人は仕あわせである。   

(2001年7月18日 杉並区立中央図書館での展覧会のために書いた色紙より。)

子どもたちよ     
子ども時代を しっかりと  
      たのしんでください。
おとなになってから
老人になってから 
あなたを支えてくれるのは 
子ども時代の「あなた」です。


 


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February 27, 2013

卒業する子どもたちへ

2月27日(水)読みがたり絵本の勉強会 その2

本日の勉強会は、サブテーマが「勇気」(卒業する子どもたちへ)でした。
テーマ設定は、小学校に読みがたりボランティアとして、お話を届けるにあたり、卒業を間際に控えた6年生には何を読んだら良いか迷っているRさんからの相談でした。「卒業し、新しい生活に飛び込む子どもたちに、勇気を伝えたい」というのが、その理由でした。
そう考えている最中のRさんが、ラジオの朗読を耳にしていて、気持ちと重なったのが『スガンさんのヤギ』だったので、課題本として提案されたそうです。(内容は、その1に記録しました。)

ところが、テーマ設定から本日までに、課題本とテーマは別のものであったと気付かれたそうです。その一つのきっかけは、大井むつみ先生に質問したこと・・・「卒業する6年生の子どもたちに、勇気を伝えたい。どんな本を読んだら良いですか?」という質問に、大井先生は、

 こう思ってほしい、こう感じてほしい、と思う事さえおこがましい

と、諌められたそうです。Rさんは、その言葉に納得し、感謝なさっていました。
さらに、大井先生は、自分の好きな本を読んだら良いと、一冊紹介してくださったそうです。
その本は、こちら↓
ハスの花の精リアン
ハスの花の精リアン 


さて、私達メンバーは、何を薦めたでしょうか。

【卒業する子への読みがたり】

何人ものメンバーが読んでいるのは『ともだち』
クラスメイトは、大人になったらどんな仕事をしているかな?
想像しながら楽しめて、ともだちの未来に思いを馳せる本です。
新装版 ともだち (講談社の創作絵本Best Selection)
 ともだち 


小さい子むけ?いえいえ、大きな子も大好きです。
この大型絵本で読むと、喜んで聴いてくれるそうです。
ちびゴリラのちびちび
ちびゴリラのちびちび 


私にとっては、大切な一冊。
我が子が卒業する時には、全クラスでこの本を読みました。
ちいさいいすのはなし (おはなしのほん)
ちいさいいすのはなし 


次の2冊は、卒業に限定せず、卒園・進級にも。
ひとりぼっちのライオン
ひとりぼっちのライオン

おおきくなるっていうことは (ピーマン村の絵本たち)
おおきくなるっていうことは 


まだ実践はないものの、正に読もうと準備中の本より
かあさんのいす (あかねせかいの本 (8))
かあさんのいす 

ねずみとくじら (評論社の児童図書館・絵本の部屋)
ねずみとくじら 


【勇気】
勇気・・・捉え方次第で様々ありますが、メンバーが実際に読みがたりした本より一部紹介します。『はなのすきなうし 』は、戦わない勇気という理由で反戦の本としても使われるのだとか。なるほど、そういう勇気もありますね。

かたあしだちょうのエルフ (おはなし名作絵本 9)
かたあしだちょうのエルフ 


ラチとらいおん (世界傑作絵本シリーズ―ハンガリーの絵本)
ラチとらいおん 


てんのくぎをうちにいった はりっこ (こどものとも傑作集)
てんのくぎをうちにいった はりっこ 


はなのすきなうし (岩波の子どもの本 (11))
はなのすきなうし 


あのね
あのね 


以上、ご紹介のみ。今日は例会終了後、小松崎進先生に絵本を2冊読んでいただきましたので、記録しておきます

ももうりとのさま (語り伝えたい日本のむかしばなし)
ももうりとのさま 

あたし ゆきおんな (絵本・こどものひろば)
あたし ゆきおんな



















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スガンさんのヤギ

2月27日(水)読みがたり絵本の勉強会 その1


今日のお題は『スガンさんのヤギ』
本日のお題は、NHKラジオの朗読で当作品を聴いたメンバーが選んでくれました。

【原作】
アルフォンス・ドーデ(Alphonse Daudet)
1840〜1897年。フランスの小説家。
代表作は「アルルの女」を含む短編種『風車小屋だより』、
「最後の授業」の短編で有名な『月曜物語』など。

【あらすじ】
パリに住む詩人・グランゴァールに宛てた手紙として書かれたお話。
スガンさんは、かつて6匹のヤギを飼っていました。しかし、
どのヤギも紐をちぎって山へ入り、オオカミに食べられてしまいました。
7匹目のヤギはそうならぬよう、スガンさんは気を使って飼っていたのですが、
ヤギは自由を求めて囲いの中の生活から逃げ出します・・・。
美しいヤギは、まるで女王のように山に迎えられ、山を満喫しました。
ところが、夜になればオオカミが現れ、戦い、そして食われてしまうのでした。

【絵本】 
スガンさんのヤギ
原作:アルフォンス・ドーデ
絵:エリック・バテュー
出版社:西村書店(2006.7.1第一刷)


スガンさんのやぎ (世界のおはなし絵本(18))
文:岸田 衿子
絵:中谷 千代子
出版社:偕成社(1966.12.13第一刷) 


【感想など】
 参加者は皆、宿題として課題の本を読んで来ています。
 さらに、会の始めに読みがたりしてもらった後、感想などを発表しています。

子どもへの読み聞かせの本ではなく、大人向けの本。

読後感がすっきりしない。哲学的。

テーマの捉え方で、受け止め方も変わってくる。
 「生きるとはどういうことか」を考える作品。

ヤギは自由が欲しかった、自由を求めた、と捉えると天晴である。

お話とはいえ、ヤギの生き方は野生の生き様。

ヤギは、そう生きるしかなかったのだろう。
 今はそう感じるが、明日読んだら、また違う印象かもしれない。そんな作品。


【小松崎進先生のコメント】
この作品は、生きるとはどういうことかを書いているのだろう。

しかしながら、文学作品を読むときには、テーマを決めつけてはいけない。
 幅広く味わう必要がある。
 

私にとっては、初めて読む作品でした。
岩崎書店刊で出会ったのですが、なんだこれは?と、何とも哲学的で困ったぞ、と思ったのが正直なところでした。実は、今回サブテーマとして「勇気」が掲げられていたものですから、これは勇気なのか?という疑問でいっぱいになりました。
そこで、サブテーマとは切り離して読んだところ、全く違う作品として受け止めることができました。さらに、本日、読みがたってもらうことで、より深く味わう事ができました。文学的な表現の美しさも、耳から入ると実に豊かに味わえるものですね。(うん、これは大事!耳から味わうこと!!)

本日のサブテーマについては、その2で記録します 








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January 30, 2013

あやちゃんのうまれたひ(つながる命)

1月30日(水)読みがたり絵本の勉強会


今日のお題は『あやちゃんのうまれたひ』
 サブテーマは「つながる命」です。

あやちゃんのうまれたひ (こどものとも傑作集)
あやちゃんのうまれたひ (こどものとも傑作集) 
作・絵:浜田 桂子
出版社:福音館書店
1984年12月1日こどものとも発行
1999年1月20日傑作集発行

あやちゃんは、もうすぐ6歳のお誕生日をむかえます。生まれた時、ちっちゃかったかな?かわいかったかな?ママに、生まれた時のお話をしてもらいます。

 このお話は、作者の浜田桂子さんご自身の体験を元に描かれた本で、作者にとって初めて出版された絵本です。主人公の「あやちゃん」は、浜田さんのお嬢様。その「あやちゃん」は、2012年にお母さんになられたとか。生まれくる命があって、命がつながっていくことの喜びをストレートに表現されているこの一冊を今日のテーマに選びました。だから、サブテーマは「つながる命」!(ちょっと大袈裟ですけれどね。)

 
 以下、参加メンバーの読みがたり実践と感想など。読みがたりの一助になれば幸いです

読みがたりにかかる時間は、7分程度。

参加者6名中、集団への読みがたりをしたのは1名・私だけでした。
 家庭で、親子で読むべき本だという意見多数。
 なぜなら、この本は幸せな家庭におけるお話なので、
 様々な家庭環境にある子が集まる場では、躊躇してしまう、という理由。
 
家庭以外で読むなら・・・
 ・親子参加のおはなし会で、おかあさんに向けて
 ・10歳に行う二分の一成人式の場で
 ・命の授業、性の授業を受ける学齢の子たちに
 など、場とタイミングを選んで読むといいだろう。

子が誕生し、おかあさんになる気持ちを描いた絵本は他にもあるが、
 その中では、この本が好き。
 とても素直な本で、ゆったりと幸せな本だと思う。

私・まいあは、小学生に向けて読んだ体験があります。
 小学2年で、自分の誕生について学ぶ機会がありますが、
 その時期に(「誕生学」の出前講座を聞いた子どもたちに向けて)。
 また、学童保育の子どもたちにも読みました。コチラ
 どの場面でも、子どもたちが柔らか〜い、くすぐったそうな笑顔を
 見せてくれて、とてもいい時間になりました

以下は、サブテーマ「つながる命」で持ち寄られた本です。
 大きなテーマなので、捉え方によって無限に広がって行きます・・・
 ・命の誕生
 ・生と死
 ・父母、祖父母の話
 ・命をいただくこと(食物連鎖)
 ・震災復興
 などなど。分類はせず、そのままに紹介いたします。
  (順不同、対象年齢不問)
 おへそのあな
 おへそのあな 

 てんごくの おとうちゃん (講談社の創作絵本)
 てんごくの おとうちゃん 

 いのちのまつり―「ヌチヌグスージ」
 いのちのまつり―「ヌチヌグスージ」

 いわしくん
 いわしくん

 葉っぱのフレディ―いのちの旅
 葉っぱのフレディ―いのちの旅 

 鹿よおれの兄弟よ (世界傑作絵本シリーズ)
 鹿よおれの兄弟よ 

 ちいさいいすのはなし (おはなしのほん)
 ちいさいいすのはなし 

 じぶんの木 (えほんのぼうけん 8)
 じぶんの木 

 かえでの葉っぱ
 かえでの葉っぱ 

 さくら (かがくのとも絵本)
 さくら (かがくのとも絵本) 


 今日の勉強会では、随分と反省することがありました
 私自身は10年以上、子どもたちに読みがたりする活動を続けて来たのですが、プロでも先生でもないので、どこへ行っても「お母さんとして、我が子に読むように」読んでいます。(それしか出来ないのです。)お母さんとしては、子どもたちには単純に「生まれてきてくれて、ありがとう!」「生まれて来たって凄いことなんだよ。奇跡だよ。」と、伝えたくなるのです。どの子にもね。たとえ絵本からでも、感じ取って、自分の存在に誇りを持って生きて欲しいと思っています。その気持ちにもピッタリくる本の一つが『あやちゃんのうまれたひ』なので、タイミングをみて読ませてもらっている訳です。
 しかし!
 それが、押しつけだったり、私のエゴではいけないんですよねぇ。押し付けがましいのは大嫌いなので、十分に気をつけてきたつもりでしたけれど、今日は皆さんの視点と食い違い、反省しきりです。これからも気をつけてまいります〜






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November 28, 2012

ものぐさトミー(男の子が喜ぶ本)

11月28日(水)読みがたり絵本の勉強会


今日のお題は『ものぐさトミー』
サブテーマは「男の子が喜ぶ本」です


ものぐさトミー
ものぐさトミー
ペーン・デュボア 文・絵
松岡 享子 訳
1977年6月24日第一刷 
岩波書店(岩波子どもの本)

LAZY TOMMY PUNPKINHEAD
by William Pene du Bois
1966
Originally published in English
by Harper & Row,Publishers,New York


主人公の男の子はなまけ者、その名もトミー・ナマケンボ。
電気仕掛けの家にすんでいて、朝になれば自動的にベッドが動いて、起きて、お風呂に入って、服をきて、食事をして…全てが機械まかせ。午後には、ぞっとするほど長い階段(表紙の絵の場面です)を登り、ベッドにたどりつく、という生活ぶり。
ところがある日、嵐が来て電気が来なくなってしまいました。
電気が来るまでの7日間もベッドの中ですごしたものぐさなトミーですが、動きはじめた機械にに散々な目に遭わされてしまうのでした。さて、トミーはどうするのかな?


 実を言うと、私は初めて声にだしてきちんと読みました。
 友人(男の子のママ)に紹介されたこともあったのですが、その時はピンとこなかったのでした。また、私自信も女兄妹のみ、我が子も女のみ、ということで男の子の喜ぶ本には若干苦手意識があるものですから、今日は色々教えていただくつもりで参加しました。
 以下、参加メンバーの読みがたり実践と感想など。読みがたりの一助になれば幸いです

読みがたりにかかる時間は、11分程度。

家で息子(小3)に読んだとき、大受けだった。
 小学3・4年生が理屈抜きで楽しめる本だと思う。

対象年齢は、小学4年生くらいが良いだろう。
 かけ算九九がわかる方が面白さを理解できる。
 集団に読み語るなら、3年では早く、4年くらいが適当。

自分が子どものころ、出版と同時に読んだが、
 無機質で気持ち悪いと感じ嫌いだった。
 自分では選書しない本なのだが、
 小4向けのお話会で読まれたのを見学したら、男子に受けていた。

うちの子は女だけれど、この本が好き。
 娘にも薦められて小4のクラスで読んだが、皆喜んでくれた。
 男子のほうが、反応はダイレクト。

 男の子へのオススメの本として紹介された本 
 (順不同、対象年齢不問です。)
 ラチとらいおん (世界傑作絵本シリーズ―ハンガリーの絵本)

 ゆうたはともだち (ゆうたくんちのいばりいぬ)

 じごくのそうべえ (童心社の絵本)

 3びきのかわいいオオカミ

 トリゴラス (ぽっぽライブラリ みるみる絵本)

 いつもちこくのおとこのこ―ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシー (あかねせかいの本)

 へんしんじどうしゃえんこくん


本日は、小松崎先生にもコメントいただけました。
 「男の子の喜ぶ本」テーマがいいですねぇ。
 男の子が喜ぶものといえば・・・
 まず、動く乗り物=電車・自動車・飛行機、機械への興味です。
 動物への興味も強い。
 怪獣・恐竜の本もいいと思います。
 お化けは?(男の子も女の子も好き!と参加者一同)


 この他にも、色々話は広がっていったのですが、テーマのまとめはここまでとします
楽しい本は男女問わず喜んでくれるものですね 今日は皆さんと話したことが刺激になって、他にも男の子が喜んでくれた本を思い出しました〜こんな本もいかがですか?

 ぼく、だんごむし (かがくのとも傑作集 どきどき・しぜん) アリからみると (かがくのとも傑作集―どきどきしぜん)  おこだでませんように 八郎 (日本傑作絵本シリーズ) きかんしゃやえもん (岩波の子どもの本) 

 乗り物の本は、あまりにも多岐にわたるし数も多いので、ここでは触れませんでした。でも、やえもんだけは特別に。だって大好きな一冊なんですもの。女の子もかつて女の子だった私も、ね





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October 31, 2012

くまのコールテンくん(ともだちのテーマで)

10月31日(水)読みがたり絵本の勉強会

本日のお題は『くまのコールテンくん』

くまのコールテンくん (フリーマンの絵本)
くまのコールテンくん 
ドン=フリーマン/作 松岡 享子/訳 (偕成社)

 コールテンくんはデパートのおもちゃ売り場で、
誰かがうちに連れて行ってくれるのを待っています。
 ある日、ひとりの女の子が
コールテンくんが欲しいとお母さんに頼みますが、
ズボンのつり紐のボタンが一つ取れていると言われます。
ボタンがとれているのを知らなかったコールテンくんは、
その夜閉店後の店内へボタンを探しにでかけるのですが・・・
警備員のおじさんに見つかり、元に戻されてしまいます。
 ところが次の朝、昨日の女の子が自分の貯金で
コールテンくんを連れて帰ってくれました。
女の子=リサの部屋にはコールテンくんのベッドが用意されていて、
取れていたボタンも付けてくれて、ぎゅっと抱きしめてくれたのでした。
 『ともだちって、きっと君のような人のことだね。』


 1975年の初版以来、今日まで読み継がれるベストセラー絵本(2011年時点で129刷!)。 私自身もうちで、小さな我が娘に繰り返し読んだ絵本のひとつです。何とも可愛らしいお話ですね。
 以下、参加メンバーの読みがたり実践と感想など。読みがたりの一助になれば幸いです

読みがたりにかかる時間は、9〜10分程度。

ボランティアとして学校や図書館で読んだときの対象年齢は・・・
 ●小学1、2年生
 ●小学5年生。
  幼児向けのようだが、高学年も素直に受け止めてくれた。

人前で読みがたりするなら、
 大型絵本(くまのコールテンくん (ビッグブック))がオススメ。

女の子・リサはいくつくらいだろう?
 一人で貯金をもって買いにいけるということは、10歳くらいかな。
 人種はヒスパニックに見える。
 季節は冬だろう。リサの部屋の外は雪模様。

リサは、お母さんと一緒のはじめの場面では幼くみえるのに、
 コールテンくんを連れ帰ってからは、とてもお姉さんに見える。
 ボタンをつけたりと、お裁縫もできるのね。

とにかく可愛いお話。

こういう本を見て『好き』だといえる子でいて欲しい。

ラストのみ、リサとコールテンくんの会話がある。
 そして、ラストの表情がとてもいい





 実践プログラム 

本日のテーマを提案してくれたさんは、小学5年生のクラスで読みがたりなさいました。そのプログラムを紹介します。

対象:小学5年生
時間:15分間(朝読み)
プログラム:①くまのコールテンくん 、②ゆうたはともだち、③金子みすゞの詩「こだまでしょうか」

  • 小学5年生という学齢期は、反抗期がはじまる、友人関係がぎくしゃくしてくるなど様々な変化のとき。最高学年になる前のタイミングで読みたくて選書した。
  • プログラムに共通するテーマは『ともだち』。
  • 読んだクラスの感想文のなかに『こんなことが、本当にあるんでしょうか?』と書かれていたのが印象的だった。
  • 高学年になっても、子どもは素直にうけとめ感じてくれている。
  • 詩は、15分の時間におさまれば読むつもりで用意していた。
    最近は詩が難しいと敬遠する大人も多いが、もっと読んでいきたい。
    読む時には暗唱ではなく、本を手にしているが、必ず2回繰り返すようにしている。




 コールテンくん 

コールテンって、CORDUROYを訳した生地の名前でしょ?
あぁ、「コール天」って書いてたわよね・・・昭和には。
他にも、コールテンくんの本があるのよ〜
など、コールテンくんをめぐる話が次々と飛び出しましたので、記録しておきたいと思います。

まずは、私が米国ニューヨークで見つけた絵本。今夏お土産として購入しました。
どの本屋さんをのぞいても、児童書のメインコーナーに『CORDUROY』がディスプレイされていました。ドン=フリーマンがニューヨークで活躍なさったからかもしれませんね。

Corduroy (Picture Puffins)
Corduroy (Picture Puffins)
Don Freeman , 1968 (First Published by The Viking Press)


A Pocket for Corduroy (Picture Puffins)
A Pocket for Corduroy (Picture Puffins)
Don Freeman , 1978 (First Published by The Viking Press)

本の大きさは、日本語版と比べると一回り小さいサイズ。
縦横の比率も少し違い、横長ですね。
ページの構成や文字の入り方は同じです。


ここで、日本語版に戻ってみると・・・主人公がCORDUROYの本が3冊出版されています。

くまのコールテンくん (フリーマンの絵本)くまのコールテンくん (フリーマンの絵本)
著者:ドン=フリーマン
販売元:偕成社
(1975-05)






コーちゃんのポケットコーちゃんのポケット
著者:ドン・フリーマン
販売元:ほるぷ出版
(1983-09)






くまのコードリーまいごになる (わくわく世界の絵本)くまのコードリーまいごになる 
著者:B.G. ヘネシー
販売元:小峰書店
(2010-08)



・・・ご覧の通り、主人公の名前も出版社も様々です。
大人の事情ってやつでしょうか。コードリーにいたっては作者も別人なのです。
残念ながら、コードリーは私的にはお勧めできません。(ドン=フリーマンの描きたかった本質から離れてしまっている印象だから。)


コーちゃんのポケット』については、作品そのものに誕生秘話があるようです。
ジャケットのそで部分に書かれていましたので、そのまま転載させていただきます。

(以下、引用)
コーちゃんのポケット

 ドン・フリーマンにニューヨークではじめて会ったとき,まだ彼の日本語版絵本はなくて,わたしたちが原書をつかってお話ししていること,日本にもコーちゃんのファンが大勢いることを話すと,とても喜んでくれた。
 カリフォルニアのお宅へうかがったときは,「くまのコールテンくん」も邦訳されて,満足そうだった。そのとき,わたしたちがつれていった絵本そっくりの縫いぐるみ指人形のコーちゃん(高田千鶴子さん製作)はズボンにポケットがあって宝物がはいっていた。それを大きな指にはめて,「すごいぞ,ポケットだ!宝物がはいっている!」と,子どものように目を輝かせ,宝物をひとつひとつだしながら,「そうだ,こんどはコーデュロイがポケットをもらう話をつくろう!」と叫ぶのを聞いて,いつのことかと楽しみだった。でも4年前,亡くなったと聞き,ショックとともに,「やっぱりできなかった」と,ひそかに思った。
 それから数ヵ月,「フリーマンの遺作です」と,差しだされた絵本をみて,おもわず歓声をあげた。「できてた!」それは,わたしには天国のフリーマンからの暖かいメッセージだった。「ちゃんとつくったよ」と笑っている顔が目にうかんだ。「いちど日本の子どもたちに絵をかいて,お話ししてあげたい」といっていたフリーマンが,最後にのこした作品,それが日本の子どもたちへのプレゼント,「コーちゃんのポケット」なのだ。
   西園寺祥子(おはなしきゃらばんセンター)


ドン・フリーマンのお話、やさしくってほっとします。他のお話もぜひ手に取って、読んでみてくださいね。

くまのビーディーくん (世界の絵本)くまのビーディーくん (世界の絵本)
著者:ドン=フリーマン
販売元:偕成社
(1976-02)




子リスのアール子リスのアール
著者:ドン フリーマン
販売元:BL出版
(2006-11)






しずかに!ここはどうぶつのとしょかんですしずかに!ここはどうぶつのとしょかんです
著者:ドン フリーマン
販売元:BL出版
(2008-05)





A Rainbow of My OwnA Rainbow of My Own
著者:Don Freeman
販売元:Live Oak Media
(1978-07)




CORDUROYは、リサにとって「ともだち」「Friend」という言葉で表現する以上の存在なのじゃないかしら?そう、思っています。







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September 26, 2012

ゆらゆらばしのうえで(最後にフッと笑える本)

9月26日(水)読みがたり絵本の勉強会


今日のお題は『ゆらゆらばしのうえで』
サブテーマは「最後に‘ふっ’と笑える本」です

ゆらゆらばしのうえで (日本傑作絵本シリーズ)
ゆらゆらばしのうえで 
きむら ゆういち/文 はた こうしろう/絵 (福音館書店)

激しい雨のあがった日。
一羽のうさぎが丸太の橋にかけこんできて、それを追うきつねも飛び乗った。
すると雨後で地盤がゆるんでいたため丸太橋がはずれてしまい、二匹が動くたびにシーソーのように揺れたり…傾いたり…。やがて、丸太橋の上で夜明けを迎えた二匹は…!?

木村裕一さんの文。食うもの食われるもののやり取りに「あらしのよるに」にも通じるものを感じます。実際「あらしのよるに」の後で書かれたようですね。以下、参加メンバーの感想など。読みがたりの一助になれば幸いです


読みがたりにかかる時間は、10分程度。

対象年齢は、小学4年生以上が良いだろう。
 本文中の台詞『こら! もっと いのちを だいじにしろ!!』の
 意味と面白さを感じられるのは4年生以上だというのが、主な理由。

文も良いし、絵がとても良い。
 場面ごとに、心情に合った色使いだと思う。
 臨場感あふれ、離れてみても伝わってくる。
 何より、きつねの表情がいい!ラストは印象的。

本の形も大きさも、持ちやすくてありがたい。

読みがたりするには、声色を使い分けて演じる必要があるだろう。

読み合ってみると、読み方で印象が変わるのを感じた。

お楽しみの一冊として使うのがオススメ。
 本文・きつね・うさぎで声を分け、3人で読むといい。


どんな本もそうですが、人前で読むには練習が大切!
演じるタイプの本ですから、何度も練習して臨みたいと思いました。
落語絵本なども、普段の本よりも練習回数を重ねる必要がある本。本物の落語を聞きにいくのも勉強になるわね〜、などと、お話は広がっていったのでした。うんうん、私も落語好きです



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May 22, 2012

絵本で楽しむ「スカイツリー」

2012年5月22日(火)
本日正午 スカイツリーオープンです 

そこで、皆さまにこの本をオススメします 
子どもの本とあなどるなかれ
大人の私たちもワクワクすること請け合います
是非、お手に取ってご覧下さいませ。

しごとば 東京スカイツリー (しごとばシリーズ)
しごとば 東京スカイツリー (しごとばシリーズ)



ゆめのスカイツリー
ゆめのスカイツリー

こちらは、是非声に出して、谷川俊太郎さんの言葉のリズムも楽しんで下さいね

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October 19, 2011

へいわってどんなこと?


へいわって どんなこと? (日・中・韓 平和絵本)

へいわって どんなこと?
浜田桂子/作・絵 (童心社)

 へいわってどんなこと? きっとね、へいわってこんなこと 。
・・・「おなかがすいたら、だれでもごはんが食べられる」「いやなことはいやだって、ひとりでも意見がいえる」「おもいっきり遊べる」
 語りかけるような言葉で、子どもの目線でもわかるように問いかけていきます。へいわってどんなこと?かの答えは、当たり前のことばかり。私は、人権を守ることと似ているな、と思いながら読みました。(戦争はなくても、生きている権利を奪われたら平和とはいえないですよね。)小さな人たちとも、一緒に考えていきたい、平和を守っていきたいと思いました。

 当作品は、『日・中・韓平和絵本』として2011年4月に発売された第一弾3冊のうちの1冊です。日本の作家さん(浜田桂子さん、田島征三さん、和歌山静子さん、田畑精一さん)が、中国と韓国の作家さんに呼びかけて実現した企画ということです。平和について考える絵本と一口に言っても、歴史的な背景をみて足並みを揃えるために相応の時間と努力(あるいは忍耐も)必要だったのではないでしょうか。今後も三カ国語で12冊のラインナップとなるそうですから、是非手にとってみたいと思います。

●『日・中・韓平和絵本』についてはコチラ
  童心社サイト
日・中・韓 平和絵本

●浜田桂子さんへのインタビュー記事を見つけました
  EhonNaviのインタビュー



 本を読んでの感想と学童さんへの読み語りの様子を、小松崎進先生(この本だいすきの会代表)にお便りしました(2011年8月末)。その原稿のコピーです。私自身の記録のとして残します。

 『へいわってどんなこと?』を初めて手にしたとき、真っ黒な戦闘機や爆弾の絵に驚きました。いつも暖かな絵を描かれる浜田桂子さんが描かれたことが、意外だったからです。しかし、全体を見ると、この「黒」と希望の色「黄色」の対比こそが、視覚的に平和や希望を伝えてくれるのだという印象を持ちました。
 タイトルもいいな、と思いました。「どんなこと?」と問いかけてくれるので、小さな人たちとも一緒に考えていけると思ったのです。戦争や平和については、自分の言葉として伝えることが難しいと感じている私でも、この本を通じてなら、一緒に考えることができると思ったのでした。
 さて、佐渡での夏の集い二日目、浜田桂子さんの講演を聞くことができました。白いジャケット姿の浜田さんは、凛として美しく、そして優しい笑顔は、著作『あやちゃんのうまれたひ』のお母さんそのものでした。(我が家では、浜田さんのことを「あやちゃんのおかあさん」と呼ばせていただいていたのです。イメージ通りでした。)
 講演では、小さな人たちへエールを送り続けたい、いのちの眩しさを伝えたいという思いを、ご自身の絵本作りを通して語られました。また著作を読み語ってくださったので、さらに思いが伝わってくるようでした。
 『へいわってどんなこと?』を、浜田さんの読み語りで拝見しながら、私自身も平和について考えていました。また、漠然と、「あぁ、これは人権を守ることに通じているのかな」と感じていました。絵本『ひとはみな、自由―世界人権宣言』とも重ね合わせて聞いていました。一九四八年、国連総会において採択された「世界人権宣言」を子どもたちに伝え、考えるために描かれた絵本です。浜田さんの伝えたい平和とは、基本的な暮らしそのものが成立する社会のことなのかもしれないと感じていました。
 もう一冊、思い浮かべた絵本がありました。浜田さんご自身も参加された絵本『世界中の子どもたちが103』です。百三名もの絵本作家さんの平和への願いが込められている本でした。一方、前述の『ひとはみな、自由』には、世界の絵本作家や画家三十名が携わり、世界三十カ国で同時刊行された本です。多くの著名な作家さんたちの思いが込められた本二冊を、偶然にも思い出したのです。
 多くの作家さんが手をつないでできた本という意味では、『へいわってどんなこと?』も同じなのですね。日中韓の三カ国の平和プロジェクトとして、十二名の作家さんたちが

年月をかけて、交流を重ねる中で生まれた本と知りました。

 
 さて、佐渡集会から帰宅直後、学童でのお話会に読んでみることにしました。(浜田さんご自身の声を胸に、そして、いただいたサインにもパワーを貰いながら読もうと決めました。)

 読んだ日は8月8日。広島・長崎の慰霊祭などの報道を目にすることも多く、戦争について伝えるのにもいいタイミングだと思いました。また、聞いてくれる学童のクラス(小学一~三年生、三十名)では、毎週三十分間のお話会を続けているので、ボランティアの私たちとの信頼関係が、ある程度できているクラスです。この人たちには、じっくりと考えるタイプの本を持って行ってもいいのではないかと思いました。
 導入では、いくつか問いかけてみました。

『皆さんは新聞を読みますか?』

―読むよ。(十名程)

―おとうさんと一緒に大人の新聞を読むんだよ。

『では、テレビでニュースを見てる人?』

―はい!(ほぼ100%手があがります。)

『広島や長崎の原爆慰霊祭のことをニュースで報道しているけれど、観たかしら?』

―?

『戦争のこと、皆は知っていますか?』  ―知らない。

―あのね、鉄砲打ったりするよ。殺しちゃうんだよ。

―???

『戦争のことは難しいかな?まだ知らないかもしれないね。でも、嬉しいことか悲しい事かはわかるんじゃないかな。どう?』

―悲しいこと!

―あのね、いけないことだよ。

『そうだよね。戦争のことはよく知らないけれど、悲しくて辛いことだというのはわかるよね。では、平和っていう言葉はわかりますか?』

  ―???

『では、この本をみながら一緒に考えてみましょうね。』と言って、読み始めました。
 ゆっくりゆっくり、読みました。どの子も真っ直ぐな眼差しを向けて、しっかりと聞いてくれました。

 
 読んでいる間の子どもの反応は、以下のようでした。(数カ所抜粋)

きっとね、へいわって こんなこと。

せんそうを しない。

ばくだんなんか おとさない。 

―ウワァ

―でっけ~

おなかが すいたら だれでも ごはんが たべられる。 

  ―あたりまえだよ~!

ともだちと いっしょに べんきょうだって できる。 

―うん、あたりまえ~

おもいっきり あそべる。

  ―あたりまえだよ!

あさまで ぐっすり ねむれる。

―あったりまえだよ!

パレードのしゅっぱーつ! 

―わ~い!(嬉しそうに笑っている。)

 
 「あたりまえだよ」と言っていたのは、一年生の男の子たちでしたが、その反応に、読み手の私が教えられました。当たり前のことを当たり前にできることが平和の根底にあるということ。正にその通りではないかと。
 だから、読み終えてすぐに、『あたりまえだよ、という声が聞こえたけれど、本当にその通りだね。私たちは平和な国に生まれたから、あたりまえに過ごせているのだと思うよ。』と、つい口に出してしまいました。
 とても真っ直ぐに受け止めてくれる子どもたちです。本を通じて、いい対話ができたと思いました。いい本との出会いに感謝しています。
 これからも日・中・韓平和絵本は三カ国共同出版で刊行され、全十二冊になるそうですから、是非手にとって、また子どもたちと共に考えていきたいと思っています。

 

※文中で紹介した本

『へいわってどんなこと?』浜田桂子作(童心社)

『世界中の子どもたちが103』平和をつくろう!絵本作家たちのアクション著(講談社)

『ひとはみな、自由―世界人権宣言』ジョン・バーニンガム他著・中川ひろたか訳(主婦の友社)




日・中・韓平和絵本 第1期(全3巻)
日・中・韓平和絵本 第1期(全3巻)


世界中のこどもたちが103
世界中のこどもたちが103


ひとはみな、自由 世界人権宣言
ひとはみな、自由 世界人権宣言






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