S書房 お話会秋の御祭禮

October 15, 2011

大西紀子先生@子どもの本の原っぱ

2011年10月15日(土)14:30~16:00

「子どもの本が好きな人、この指と~まれ!」
少人数で、作家や画家のお話をじっくりお聞きしようと
「子どもの本の原っぱ」を始めたのは2001年の12月でした。
「原っぱ」は、その後ますますにぎやかに、
なごやかに、しかも豊かに育ってきました。
好評の第8期に続き、第9期を企画いたしました。
みなさんお声をかけ合って、「原っぱ」に遊びに来てください。
 (「子どもの本の原っぱ」案内チラシより


第9期
は、①1月22日(土)江川多喜雄先生、②2月26日(土)小松崎進先生、次いで③3月19日(土)大西紀子先生を予定しておりましたが、311の大震災のため延期。7ヶ月を経て、やっと本日再開となりました。

大西紀子(おおにし のりこ)先生のご紹介です
1940年、秋田県生まれ。千葉県市川市の市立幼稚園で長年にわたり、園ぐるみ、家庭ぐるみ、地域ぐるみの親子絵本読書活動の普及に努める。現在は昭和学院短期大学人間生活学科人間発達専攻で、保育者を養成している。この間、全国学校図書館協議会の絵本委員会委員として、絵本選定にたずさわっている。この本だいすきの会・事務局員および絵本研究部の世話人。共著書に『この絵本読んだら』(高文研)
(下記の著作の紹介文より)

「絵本のへや」の子どもたち―絵本だいすきの園児とともに


さあ、待ちに待った大西紀子先生のお話です 

title 『 子どもと 楽しむ 絵本浴 』

「どうしてそんなに絵本が好きなんですか?」
「どうしてそんなに絵本にこだわるのですか?」

こんな質問を、若い学生さんからもされるのだそうです。そして、やはりこだわっているのだとおっしゃっていました。絵本と共に、子どもと共にありたいのだと。

 
絵本浴のこと、はじめにことば浴ありき。

 『絵本浴』とは・・・
大西先生が作った言葉です。赤ちゃんが沐浴するように、また日光浴や外気浴をするように、絵本浴をしているようだと感じたところから生まれた言葉

 0.1歳児でも絵本を読んでもらっていると、よだれをたらさなかりに恍惚としている。その姿をご覧になって、全身でのみこむ様子を「絵本浴」と表現なさったそうですが、いい言葉ですね~

 先生ご自身の原体験・原風景は、7つの時に亡くされたお母様の野辺送り・桔梗の咲き乱れた景色なのだそうです。その景色と重なる絵本が『きつねの窓』で、以後(座右の銘ならぬ)座右の本になっているそうです。また、お母様を亡くした後に、毎日お父様が手枕で語ってくれたお話が『八郎』と『龍になったむすめ』。最初に言葉ありきで、後に絵本に出会われたそうです。暖かなお布団に包まれて、お父様の手枕で聴くお話・・・こんな原体験をお持ちなのですね。しべぶとん(藁の布団)が、体を動かすたびにカサカサ鳴っていた、その音も一緒に思い出の一部として話してくださいました。


 
書き手と読み手と聞き手が絵本浴でわかちあうもの。

「絵本を読み手の思いを入れて、聞き手の子どもに読み語るとき、その声を浴びて、子どもたちは絵を読み、絵本の世界で絵本浴し、絵と言葉に浸るよろこびと絵本の楽しさを味わう。」

「絵本の読み合いを通した、書き手と読み手と聞き手の三者の絵本浴は、そのよろこびを共有した者として、互いの信頼関係を構築していく。」


 三者の関係の交点に絵本浴があることを、図解で説明してくださいました。



 
子どもたちと絵本浴、そのふれあいエピソード

 大西先生が、保育者として子どもと関わる中でのエピソードを交えながら紹介してくれた本です。(本のみ紹介します。)

ももの子たろう (むかしむかし絵本 14) まっくろネリノ (ガルラーの絵本)  ころ ころ ころ (福音館の幼児絵本) ちいさなきいろいかさ (きんのほしストーリー絵本) いちご (幼児絵本シリーズ) かえるのあまがさ (与田準一・おはなしえほん) こすずめのぼうけん (こどものとも傑作集) アナンシと6ぴきのむすこ―アフリカ民話より (ほるぷ海外秀作絵本) すっきり うんち (からだのえほん (2))  ぽとんぽとんは なんのおと (こどものとも傑作集)


 どのエピソードからも、一人ひとりの子どもに向き合い、寄り添った保育をなさる先生のお姿が目に浮かぶようでした。心が熱くなるお話ばかりです お話の中から、絵本選びのヒントなども沢山いただきました。


 
この時期、絵本浴にお薦めの最新ほやほや絵本

 絵本の選定委員もなさっている大西先生は、毎月40~50冊、年間1500冊にものぼる絵本を読んでいらっしゃるとか。沢山の本から選ぶのは、まるで砂金拾いのようだとも。これだけの数をご覧になっていると、「読んで~」とを発してくる絵本があるそうですよぉ(確かに、そんな経験ありますね。あれは「気」なのね!)

 紹介されたこの本も、きっとを発しているはず

どーんちーんかーん (講談社の創作絵本)
どーんちーんかーん
武田 美穂/作 (講談社)

のっぺらぼう (杉山亮のおばけ話絵本)
のっぺらぼう 
杉山 亮/作 軽部 武宏/絵 (ポプラ社)

no title
へっこきよめさ
小松崎 進/文 梅田 俊作/絵 (メイト)



 
絵本浴のための絵本選び、わたし流

「まず絵を読んでから、絵本を起こして、声を出して語り、お話を味わう。」

「よい絵本は、絵が語りかけ、言葉が息づき、心身ともに絵本浴するよろこびが生まれる。それが、聞き手の子どもの心身の育ちに、寄り添えるよう願いながら、共に絵本体験のよろこびを味わえるように選ぶ。」


 特に、未就学児には、ぬくだまる(秋田弁)=暖まり、心底ほっとする絵本を読んでいきましょう、と締めくくられました。

 この「ぬくだまる」という言葉が、とても印象深く残りました。大西先生に読み語っていただけたら、私もぬくだまれるなぁ・・・と思いながら聞いていたら、最後に一冊読んでくださいました!しかも私もだいすきな本です!さらにスペシャルなことには、秋田弁で!!(お話は山形の昔話です。)


さるとびっき
武田 正/再話  梶山 俊夫/画 (福音館書店こどものとも)


 大西先生は、この本だいすきの会事務局員でありながら、皆さんの前で講演することを遠慮なさるような、大変につつしみ深い方です。ですから、会で講演するのは今回が初めて これを機に、第2回、第3回と続くといいなぁ、と願っています
 


my02_ehon_wo_kakomou at 23:00│Comments(2)TrackBack(0) 講演会記録 | この本だいすきの会

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この記事へのコメント

1. Posted by ドッグブリーダー   October 25, 2011 23:33
今回もご一緒させていただき、ありがとうございました。

たくさんの絵本を実際に読んでもらって心ぬくだまる時間がもてて幸せでした。(笑)

ご紹介いただいた本の一冊「かえるのあまがさ」を早速、公民館祭の読み聞かせで読んでみました。初めて方々に読む一発屋としては正直この選書は勇気がいりました。味がありますが、地味な絵本なので…。ただ今回は絵本の前に「げえるぼたもち」の語りがあり、その流れでなら読めるかも、とお願いして読ませてもらいました。

選書の段階で、わたしの中の食い付きがよくて、笑いを欲す、いわゆる受ける本だと安心する心に気がつきました。受けたいという心と戦いながら、かえるのあまがさピタポタポン、美しい日本語に身をまかせてみました。すると一番前女の子がタオルケットの上に座ってピタポタポンに合わせて足でリズムを取ってくれているのが目に飛び込んできました。あぁ、聞いてくれてるんだなぁ~と思いました。笑わせなくてもいいんだなぁ~と。ただただ心地良い響きに身を任す、そんな絵本に出会えて感謝しています。

2. Posted by まいあ   October 26, 2011 07:57
ドッグブリーダーさん、素敵な報告をありがとうございます

読んでいて、私も嬉しくなりました>
ピタポタポン・・・ただただ心地良い響きに身を任す・・・そんな絵本・・・
いいですねぇ。きっと女の子の心に届きましたね。

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