October 02, 2011
さくまゆみこサン in江戸川区立中央図書館
2011年10月2日(日)14:00~16:00
江戸川区立中央図書館にて開催された
さくまゆみこサンの講演会に出掛けました。
この本だいすきの会S支部の皆さんもいらしてましたよしばしおしゃべりできて嬉しかったです
さくまゆみこサンは、2つの出版社(文化出版局・冨山房)で長年子どもの本の編集に携わったのち、フリーの編集者、翻訳家としてご活躍なさっています。現在は、青山学院女子短期大学子ども学科教授。「アフリカ子どもの本プロジェクト」代表という顔も持っていらっしゃいます。
さくまゆみこサンのHP「バオバブの木と星の歌」
図書館の案内チラシには、
子どものための本は毎年約4000点の出版があるといわれています。今までに出版された本と併せると日本には子どもの本があふれています。そのたくさんの本の中から、子どもたちの心を育てる養分になる「本」を探し出し、それをどうやって子どもたちに手渡すかは「こどもの読書」を考える上でとても大切です。
と書かれていました。
親として、また地域の子どもに本を届けるボランティアをしている私にとっての命題の一つです。それに、我が家の本棚にも、さくまゆみこサン翻訳の本がずいぶんと沢山あるものですから、是非お話を伺いたいと思っていました。
タイトルは、
「本を読む」ことは「新たな窓を開ける」こと
1986年東京。「子どもの本の世界大会」のとき、NHKから取材にきた方から『子どもの周りには多くのメディアが存在しているのに、何故‘本’にこだわるのですか?』と尋ねられた経験があるそうです。さくまゆみこサンは、はっきりと答えることができず、ご自身への宿題としていらしたとか。
その答えがはっきりしたのは、玉川大学で受け持っていたゼミでのこと。学生と本『のっぽのサラ』を読んだ時、学生の反応が「面白い」「つまらない」と二分したが、「面白い」と感じた学生たちはお話の登場人物の心のなかのドラマを感じることが出来た人たちだったそうなのです。それは、子どもの頃から本に親しんできた学生たちでした。逆に、「つまらない」と感じた生徒たちは視覚的要素の強い媒体(例えばテレビやゲームなど)を好んでいる。
ビジュアライズされやすい媒体ばかりを見ていると、微妙な心のひだ、心の動きという部分は読み取ることができない傾向にあるようです。
心のあや、心の動き、心のやりとりなどを感じ取るのは、本(=文学)が育てている部分だと確信なさったそうです。その訓練ができていないと、やがて社会に出ても実際にリアルに人と付き合うことができにくい傾向にある、とも話されました。
講演のタイトルにもあるように『窓』という表現で、子どもを本の世界へいざなう理由を話してくださいました。
『窓』を開けると、部屋の中とは違う風景が広がっているように、本を読むことで、別の世界を知ることができる、あるいは、気分を変えることができるということなのです。子どもは、大人が想像する以上に縛りの多い世界で生きているものですが、『窓』から新たな風景をみて、知る必要もあるということ。本でなら時間と空間の制限を超えて、どこへでも行けるのですから。ただし、
『窓を設ける』のは、周りの大人の仕事だが、
『窓を開ける』のは、子ども自身 !
(ここを間違えたら窓は開かない。 )
それには、本ってやっぱり楽しいって、子どもに思ってもらうのが一番!
人種社別にさらされ、非常に辛い時代を生きた方が、「本によって別の世界があることを知らなかったら生きて行けなかった」と話されたこと、また、いじめ問題などで大人が「皆仲良く」などと抽象的なことを言っても、子どもは大人の欺瞞を嗅ぎとっているものだが、読書体験により「他人の心をそっと思う窓」を持つこともできること。さらに、本が人生の予行演習になることもあるし、自分の心を見つめる自分探しになることもあるなど、具体例も示しながら話してくださいました。
さくまゆみこサンご自身は、子どものころから本が好きだったが、今の子は塾やお稽古で疲れていて、ゆっくりする時間もない。ただでさえ疲れているのだから、白い紙に記号のような文字が並んでいるだけの世界には入りにくいのだろう。さらに、読んで頭の中に画像を作れるようになるには訓練も必要だ、とおっしゃいます。ところが、苦手な子には面倒臭い。だからこそ、楽しいよと伝えることが必要な時代になったのですね。
読み聞かせ、ブックトーク、語りなどを通して、子どもと本のなかだちをする大人が必要なのです!
中高生でも、慣れていない子には絵本から読むといい。絵本は幼い子のものではなく、大きくなったから恥ずかしいというものではなくなっています。それぞれの年齢にあった絵本を選べばいいと話されました。
どうか皆さん、お願いですから、
『本は楽しいよ』ということを、
子どもにつたえていただきたい!
と、締めくくられました。 ・・・はい、そう努めます
今日のお話は、この著作にも書かれていますのでご紹介。
子どもを本好きにする50の方法―+おすすめ本300冊
さくまさんの、もう一つのお仕事「アフリカ子どもの本プロジェクト」については、
こちらの本もご覧ください
「なぜアフリカなのかというと、それは、貧困・飢餓・動物などの世界経済のしわ寄せが全部現れている土地だから。そして、今の子達が育っていくときに、必ず視野に入れなくてはいけないことだから。」と話されました。
こちらのお話も聞いてみたいなぁ。それまでは、この本を読むことにしましょう
世界を知る『窓』を開けてみます
どうしてアフリカ?どうして図書館?
江戸川区立中央図書館にて開催された
さくまゆみこサンの講演会に出掛けました。
この本だいすきの会S支部の皆さんもいらしてましたよしばしおしゃべりできて嬉しかったです
さくまゆみこサンは、2つの出版社(文化出版局・冨山房)で長年子どもの本の編集に携わったのち、フリーの編集者、翻訳家としてご活躍なさっています。現在は、青山学院女子短期大学子ども学科教授。「アフリカ子どもの本プロジェクト」代表という顔も持っていらっしゃいます。
さくまゆみこサンのHP「バオバブの木と星の歌」
図書館の案内チラシには、
子どものための本は毎年約4000点の出版があるといわれています。今までに出版された本と併せると日本には子どもの本があふれています。そのたくさんの本の中から、子どもたちの心を育てる養分になる「本」を探し出し、それをどうやって子どもたちに手渡すかは「こどもの読書」を考える上でとても大切です。
と書かれていました。
親として、また地域の子どもに本を届けるボランティアをしている私にとっての命題の一つです。それに、我が家の本棚にも、さくまゆみこサン翻訳の本がずいぶんと沢山あるものですから、是非お話を伺いたいと思っていました。
タイトルは、
「本を読む」ことは「新たな窓を開ける」こと
1986年東京。「子どもの本の世界大会」のとき、NHKから取材にきた方から『子どもの周りには多くのメディアが存在しているのに、何故‘本’にこだわるのですか?』と尋ねられた経験があるそうです。さくまゆみこサンは、はっきりと答えることができず、ご自身への宿題としていらしたとか。
その答えがはっきりしたのは、玉川大学で受け持っていたゼミでのこと。学生と本『のっぽのサラ』を読んだ時、学生の反応が「面白い」「つまらない」と二分したが、「面白い」と感じた学生たちはお話の登場人物の心のなかのドラマを感じることが出来た人たちだったそうなのです。それは、子どもの頃から本に親しんできた学生たちでした。逆に、「つまらない」と感じた生徒たちは視覚的要素の強い媒体(例えばテレビやゲームなど)を好んでいる。
ビジュアライズされやすい媒体ばかりを見ていると、微妙な心のひだ、心の動きという部分は読み取ることができない傾向にあるようです。
心のあや、心の動き、心のやりとりなどを感じ取るのは、本(=文学)が育てている部分だと確信なさったそうです。その訓練ができていないと、やがて社会に出ても実際にリアルに人と付き合うことができにくい傾向にある、とも話されました。
講演のタイトルにもあるように『窓』という表現で、子どもを本の世界へいざなう理由を話してくださいました。
『窓』を開けると、部屋の中とは違う風景が広がっているように、本を読むことで、別の世界を知ることができる、あるいは、気分を変えることができるということなのです。子どもは、大人が想像する以上に縛りの多い世界で生きているものですが、『窓』から新たな風景をみて、知る必要もあるということ。本でなら時間と空間の制限を超えて、どこへでも行けるのですから。ただし、
『窓を設ける』のは、周りの大人の仕事だが、
『窓を開ける』のは、子ども自身 !
(ここを間違えたら窓は開かない。 )
それには、本ってやっぱり楽しいって、子どもに思ってもらうのが一番!
人種社別にさらされ、非常に辛い時代を生きた方が、「本によって別の世界があることを知らなかったら生きて行けなかった」と話されたこと、また、いじめ問題などで大人が「皆仲良く」などと抽象的なことを言っても、子どもは大人の欺瞞を嗅ぎとっているものだが、読書体験により「他人の心をそっと思う窓」を持つこともできること。さらに、本が人生の予行演習になることもあるし、自分の心を見つめる自分探しになることもあるなど、具体例も示しながら話してくださいました。
さくまゆみこサンご自身は、子どものころから本が好きだったが、今の子は塾やお稽古で疲れていて、ゆっくりする時間もない。ただでさえ疲れているのだから、白い紙に記号のような文字が並んでいるだけの世界には入りにくいのだろう。さらに、読んで頭の中に画像を作れるようになるには訓練も必要だ、とおっしゃいます。ところが、苦手な子には面倒臭い。だからこそ、楽しいよと伝えることが必要な時代になったのですね。
読み聞かせ、ブックトーク、語りなどを通して、子どもと本のなかだちをする大人が必要なのです!
中高生でも、慣れていない子には絵本から読むといい。絵本は幼い子のものではなく、大きくなったから恥ずかしいというものではなくなっています。それぞれの年齢にあった絵本を選べばいいと話されました。
どうか皆さん、お願いですから、
『本は楽しいよ』ということを、
子どもにつたえていただきたい!
と、締めくくられました。 ・・・はい、そう努めます
今日のお話は、この著作にも書かれていますのでご紹介。
子どもを本好きにする50の方法―+おすすめ本300冊
さくまさんの、もう一つのお仕事「アフリカ子どもの本プロジェクト」については、
こちらの本もご覧ください
「なぜアフリカなのかというと、それは、貧困・飢餓・動物などの世界経済のしわ寄せが全部現れている土地だから。そして、今の子達が育っていくときに、必ず視野に入れなくてはいけないことだから。」と話されました。
こちらのお話も聞いてみたいなぁ。それまでは、この本を読むことにしましょう
世界を知る『窓』を開けてみます
どうしてアフリカ?どうして図書館?