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September 03, 2011

II支部例会記録 2011年9月「昔話研究」

2011年9月3日(土)10:00~12:00
この本だいすきの会・II支部9月例会 (通算15回)
 
 当番制の読みがたり
 お当番、てるこさんです。お嬢さんが小3の時に買った本。
 「村上勉さんの絵がいい」「地球最期のお話を、今読んでおきたい」と選んでくださいました。

 mugihitotubu
 『むぎひとつぶ』 さねとう あきら/作 村上 勉/絵 (岩崎書店)


 昔話研究『かちかち山』
今日は五大昔話研究の最終回、「かちかち山」を取り上げました。
まずは、小松崎先生に読んでいただいてから、読み深めてまいります。
絵本で読むならこれ、という一冊を読んでくださいました。

かちかちやま (むかしむかし絵本 12)

かちかちやま (ポプラ社)

「かちかち山」の話の構成は、
1.お爺さんが、狸に婆汁を食わされる
2.兎が狸を懲らしめる
大きく2つの場面構成
になっています。

各自持ち寄った本を、読み込んでゆきました。
日本昔話百選 かちかち山 (語りつぎたい日本の昔話) こぶとり爺さん,かちかち山 (岩波文庫 黄 236-1 日本の昔ばなし 1)かちかちやま (むかしむかし絵本 12)かちかちやま (日本むかし話)かちかちやま (日本傑作絵本シリーズ)かちかち山 (いまむかしえほん 5)かちかちやま (日本の昔話えほん)かちかちやま (ミキハウスの絵本)

細かなディテールは異なるものの、お話は概ね同様。
山の畑でお爺さんが豆を蒔いていると、狸がやってきて悪戯をします。
耐えかねたお爺さんは、とりもち等を仕掛けて、狸を捕まえ持ち帰ります。
お爺さんが「晩げには狸汁を」と婆さんに言いおいて出かけている間に、狸はお婆さんを騙し、殴り殺してしまいます。挙句に、お爺さんに「ばばぁ汁」を食べさせて逃げてゆきます。
後半は、兎が狸を懲らしめる場面。
①かや山では、狸が背負ったかやに火をつけます。かちかち言うのは「かちかち山」だから、ぼうぼう言うのは「ぼうぼう山だから」・・・狸は背中に火傷をおいます。
②次は、とうがらし山(たで山)。火傷にきく薬だからと塗ってもらうと、よけいに痛くなります。
③松山。兎は白い木の舟を作り、狸には黒い泥舟を作ります。海へ漕ぎでて、魚をよぶために舟縁を叩くうち、泥舟は壊れて沈んでしまうのでした。(狸汁にされる話もあります。)

持ち寄った資料の語られた地域は、岩手県・宮城県を中心に、他は広島県・鹿児島県などでした。


小松崎先生のコメント
皆さん「かちかち山」は好きですか?
…NOの声多数。(知っておきたいが、語るのはためらわれます。)

江戸時代に「赤本」屋さんが五大昔話として、勝手に取り上げたもの。
その後は教科書にも載っていたので、誰でも知っているお話となりました。

語られる地域によって、多少異なるものの
一生懸命に働いた農民の怒りが、話に出ているんですね。

でも、お話が凄い(ひどい)でしょう。 
…はい、救いがありません。
…残酷すぎる話は、子どもに読もうとは思えません。

昔話はきびしいものです。
つまり、生活がきびしかった。

厳しい生活が当然だったから、それを脅かす狸が懲らしめられるのも当然、ということ。

昔話を子どもに語るには、話に耐えられるまでに子が成長するの待ったほうがいい。
また、読む人がそのお話が好きかどうかも重要です。

最後に、「かちかちやま 」(ポプラ社1967年発行)の、松谷みよ子さんによるあとがきを読んでみましょう。

「かちかちやま」によせて 松谷みよ子
 (勝手ながら抜粋いたします。ぜひ一度手にとって御覧ください。)

ー(前略)ー 大むかしの人たちは、動物と人間とがべつべつのものでなく、ごく近い親戚のようなものだと考えていたのです。ですから、動物の世界にも、人間の世界とおなじような規律があるものと考え、自分たちのよろこびや悲しみ、ねがいを動物にたくして語ったのです。
 さて、この「かちかち山」ですが、わたしは長い間、この話を好きになれませんでした。なぜきらいかといえば、それはやはり、たぬきがばばあ汁をつくっておじいさんにくわせ、「ながしの下の骨をみろ。」といって逃げていくあたりの残酷さが、幼い日の印象となってのこっているからではないかと思います。
 しかし、ここ十年昔ばなしの本をひもとくようになってから、わたしはかちかち山をもう一度見なおしました。ー(中略)ー すでに、柳田国男、関敬吾の両先生は、かちかち山の前半と後半は別べつのものであったのが、後世になってつなぎあわされ、ひとつの物語になったのであろうと、指摘しておられます。なるほど、前半のじいさまのところをとって、このあとの部分は原始に発生した動物ばなしであったと考えたとき、この異様な力もわたしにはなにかのみこめるような気がしました。ー(中略)ー
 関先生はまた、“佐賀、熊本では耕作する納付にいたずらをし、畑を荒らすたぬきをとらえて小屋にいれ、かちかち鳥だ、かちかちさまのお通りだといって、火をつけて小屋をやいたという話が独立に存在する”と書かれています。
 ひとつぶは千つぶになあれ
 ふたつぶは万つぶになあれ
 農民が種をまきながらうたったというこのうた、といいましょうか、となえことばに、わたしはせつないほど、農民の祈りや願いをみるおもいがするのですが、飢えというものが、どこか遠いところにある話ではなく、あしたはふりかかるかもしれない、きょうそうなるかもしれないという生活は、わたしたちにとってそう遠い日々ではなかったはずなのです。ー(中略)ー
 かちかち山が長い年月、日本の昔ばなしの代表のように語られてきた背景には、こういうきびしい生活があったのではないだろうか。わたしはそのようにも思います。ー(中略)ー
 とにかく、「かちかち山」はふしぎな民話です。わたしにとっても、まだまだ未知のものがかくされているはなしです。


気づいた点、疑問など
●狸が逃げる場面の表現「ぼんぼり ぼんぼり」ってどんな感じだろう?
 …素早さは感じない。
 …丸いものが、弾むように逃げる感じかなぁ。

●狸は「むじな」「熊」と表現されている話もある。
 どうやら、日本の狸というよりは、穴熊にちかいものだったのでは?
 …行徳や小松川沿いには、昔からむじなが多く生息していたらしい。
 …生物学上の「狸」「あなぐま」「むじな」の区別はつかず、語っていたのだろう。

●「とうがらし」は南蛮渡来と言われているように、とうがらし山の出てくる話のほうが年代が新しいようだ。

●なぜ、兎なの?
 …家畜として飼われているなど、人間に近い存在。
 …目が赤い。泣きはらしたお爺さんの目も赤い。
 …なぜか皆、白うさぎ。

今回で、五大昔話の研究は一旦終了といたします。
今後も、昔話の勉強は続けて参ります。(次は11月)
10月例会で、次回のテーマを決めることにしましょう。
何をやりましょうか?山姥のお話など、いかがですか?



 おまけの時間
最後に、この本を小松崎先生に読んでいただいて、楽しいひとときを過ごしました。
誕生日の花図鑑
誕生日の花図鑑








例会終了後、Hさんからいただいたメールを転載します。

お疲れ様久しぶりに楽しかったです。

 さて、話していた茅の話ですが、参考までに…。田舎の山中暮らしの父に聞いてみました。
 茅はすすきと同じですが、屋根などに葺かれるのは、太くて大きいものだそうです。実際にはそんなにとれないから、麦など混ぜて葺いていたそうよ。
今は外来のセイタカアワダチソウに負けて、ススキが減っているそうですが、基本的にはアワダチソウと同じ環境で育つ植物だから、山ばかりでなくそこら辺にあるというイメージ。
余談ですが、話にでていたアシは水際の植物でアシ→悪しで縁起がわるいのでヨシ→良しとよぶだけで、アシ=ヨシだそうです
父の田舎ではムジナはタヌキとは違って、鼻がとんがっていてイタチみたいで別名アナグマだったって。

またカチカチ山に出てきたマメ、芋、麦、粟、タデ、とうがらしなどはやせた土地で育つ植物です。
貧しい暮らしを印象づける植物だと感じたのでした。ちなみにうちの畑に植えてるのは、マメ、芋、とうがらし手がかからないから、楽なのよ
でもとられたら、怒りますタヌキ汁にしないけど

ま、こんなところです。

メールありがとう
より理解が深まりました

皆さんも、気づいたことがあれば、教えてくださいね。待ってます~






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