November 13, 2010

II支部例会記録 2010年11月

II支部例会 2010年11月(通算第7回)

11月13日(土) 
今回のテーマは、昔ばなしより『したきりすずめ』研究でした。

沢山の書籍・絵本を持ち寄って、
とても充実した、楽しい例会になりました!
ありがとうございました

小松崎先生も、帰りの車の中で
『II支部はイイですね。い
いメンバーだね。』と
褒めてくださいましたよ~!!!
(そうなんです!イイ仲間なんですよ~

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『したきりすずめ』

したきりすずめ (日本むかし話)  したきりすずめ (松谷みよ子むかしむかし)  したきりすずめ (むかしむかし絵本 16)  昔咄きりがみ舌切雀

したきりすずめ (日本傑作絵本シリーズ)  したきりすずめ (てのひらむかしばなし)  したきりすずめ (子どもとよむ日本の昔ばなし)  したきりすずめ (ワンダー民話館)


A Treasury of Japanese Folktales―バイリンガルで読む日本の昔ばなし (Bilingual Text)  日本昔話百選  桃太郎・舌きり雀・花さか爺 (岩波文庫―日本の昔ばなし)  したきりすずめ (日本の昔話)

この画像以外にも、いろいろ持ち寄りました。
一つとして同じものはないのですね。
昔ばなしは、語り伝えられたものですから当然なのでしょうか。
是非読み比べてみてください。


先生の本 舌きり挿絵
これは、小松崎先生がお持ちくださった本。昭和3年の発行。
先生がお母様に読んでもらった思い出の一冊(同じものを古書店で探して購入)だそうです。
隣の写真は、舌切り雀のラストシーンの挿絵・・・怖くて怖くて仕方なかったとか・・・


以下、先生のお話より(まとめ)
 
 昔話は、土地によって、また語る人によって異なるもの。

 
『舌きり雀』のお話の共通点は、
 お爺さんとお婆さんが、雀を飼うということ。
 いわゆる「となりの爺型」に分類されている。
 
(同じ家のなかの爺と婆ではあるが。)
 
 
ストーリーは、
   *雀が家にやってくる方法は様々ある。一つには、
    
お爺さんが仕事中に、雀が昼飯を食べたあげく  
    弁当箱に入ってクークー眠ってしまう。

    その寝姿がかわいくて、懐に入れて家につれて帰る。

   *爺と婆の二人で生活していたところに、
    他人(雀・女の子)が入り込む。

    (松谷みよ子さんの書いた話では、「なにがチョンだべ」と婆が嫉妬している。)

   *
婆は洗い張りのために「のり」を炊く。
    
ところが洗濯している間に、雀が食べてしまう。
    雀は、隣の猫が食べたと言い訳するが、口元にのりがついているのが見つかり、
    
婆に舌を切られてしまう。

   *爺は、涙を流して嘆き、弁当を持って探しに出かける。
    この道中が長い。

   *道中、牛洗い・馬洗い・菜洗いなどに出会う。
    
昔話は、3回繰り返すのが原則。

   ⇒本筋を抑えていれば、自分なりにアレンジしても構わないので、
    
自分なりに語ってみましょう!


 昔の人は、本は無くても語ったものです。
 長いお話(例えば、舌きり雀の道中など)は、
 語るときに歌を歌い、踊りながら語るのです。
 小さな子でも飽きずに聞けるように、工夫をしていたもの。
 また、それが楽しかった~♪

 昔ばなしの内容には、
 日本の暦に沿った年中行事が生きています。
 語ることは、文化を伝えることでもあります。

 このままでは・・・
 日本には昔話が無くなってしまうのではないか?と、憂えています。
 世界中で、日本人だけが昔話を語らないのです。

 短くても、一話でもいい。語れるようにしましょう。
 特に寝物語に語るのがいいですね。
 子どもは、お話をずっと忘れませんよ~!


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 今日紹介された資料
  
 ☆
前書きを読み、昔ばなしをどんな順番で語ったのかを知った。 
 『手っきり姉さまー五戸の昔話』 能田多代子/編 (未来社)(絶版)
 
 ☆語りの力を感じる。
 『母からゆずられた前かけ』 宮川ひろ/著 (文溪堂)より
 「ちょっといい話」

 必読書です!

 ☆語りを覚えるのにオススメの一冊。
 『日本昔話大成 第1巻 動物昔話』

 ☆ノルウェーでは昔話を語れない父親は無い!と、たびたび語られる斎藤惇夫さんの本
 『冒険者たち』(岩波書店)は、必読書です!
 小学5~6年生で、必ず出会わせてください。
 冒険者たち――ガンバと十五ひきの仲間


 ☆14歳(中2)で不登校を経験した子が、自分をとりもどした絵本。
   林明子著の赤ちゃん向け4冊シリーズ。
 くつくつあるけのほん

  赤ちゃんの時に読んだ本も、手放さずに、必ず手元に置いておきましょう!








my02_ehon_wo_kakomou at 23:50|PermalinkComments(3)TrackBack(0) 支部の皆様へ | この本だいすきの会

November 11, 2010

ブラティスラヴァ世界絵本原画展

千葉市美術館で開催中の
[開館15周年記念]世界の絵本がやってきた

ブラティスラヴァ

世界絵本原画展


チェコの人形劇


を、見に行ってきました。

『ブラティスラバ世界絵本原画展は、
スロヴァキア共和国の首都・ブラティスラヴァで2年に1度行われる
世界最大規模の原画展として有名です。
1967年に当時のチェコスロヴァキアで第1回展が開催されてから、
2009年に22回目を迎えました。』と紹介されています。

個人的な目的は、
智内兄助 Kyousuke Tchinaiさんの「ぼくがうまれた音」の原画でした。
2009年春に川口市立アートギャラリーで
「それぞれの美女・美少女たち」を見に行ったとき、
(酒井駒子さんの原画が見たくて出かけたのですけれど)
あまりにインパクトが強くて、しかもこんなスゴイ絵を描くひとが絵本を描いていると知り、
思わず売店で衝動買いしたのが、「ぼくがうまれた音」だったのです。
これが、金牌受賞作になったとは、絵本の世界も奥深いものです。

ぼくがうまれた音 (日本傑作絵本シリーズ)
ぼくがうまれた音 (日本傑作絵本シリーズ)

原画というより、一枚一枚がアートでした。
実際、立体作品もありますから、これを絵本のスタイルに収められた
編集の方々(?)もスゴイと思います。ちなみに福音館書店出版です。
テレビが置かれていて、絵本の絵と作品の生まれた来島海峡の映像を交えた
作品も上映されていました。


ほかに、日本人作家の原画でうれしかったのは、
スズキコージさんの「とんがとぴんがのプレゼント」
原作者の西内ミナミさんの講演に出かけたばかりだったし、
サインをいただくとき、「とんがとぴんがも見て欲しいのよ~」
とおっしゃっていたもので・・・これも、うれしい出会い。

とんがとぴんがのプレゼント (日本傑作絵本シリーズ)
とんがとぴんがのプレゼント (日本傑作絵本シリーズ)


それと、山口マオさんの「わにわにのおでかけ」
わにわに大好き!なかでも「おでかけ」の絵が好き~
原画を見ると、新たな発見もたくさんあって面白いですね。

わにわにのおでかけ (幼児絵本シリーズ)
わにわにのおでかけ (幼児絵本シリーズ)


他にも、すばらしい方々の、すてきな原画の数々
海外の作品を、見本の書籍で手に取れるのもうれしかったです。
欲しい本も沢山あったけれど、読めない言葉ばかりでした・・・


会場では、チェコの人形劇の人形と舞台が多数展示されていて、
これまた興味深かったですよ~
こんなに沢山の展示は日本初のことではないでしょうか。
体験コーナーもあって、自分で動かす事もできて、うれしかったです。


当展覧会は、どうやら巡回展のようです。
長野・飯田市、栃木・足利市、さいたま市を巡回するようですから、
お近くの皆様、お楽しみに~







my02_ehon_wo_kakomou at 22:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 観てきたよ♪